わたしが見たテレビ番組の感想を適当に掲載していきます。雰囲気としては、喫茶店の隅で仲間が集まり、見たばかりの番組をネタにして、勝手な放言をしているという感じです。読んだ人は、メールなどで反論をよこしたりしないようにしてください。ただし、事実誤認があれば、それだけは指摘に応じて訂正するつもりです。それ以外のクレームはいっさい受けつけません。
2001/09/01 (Sat)
「カーレーサー 太田哲也の闘い」テレビ朝日 10時25分〜11時20分
1998年の5月に、富士スピードウェイで大事故が起きた。そのとき、ドライバーの太田哲也選手は燃えさかるレーシングカーの車内に閉じこめられ、大火傷を負った。通常ならば、生命も危うい重傷であったが、治療にあたった東京女子医大病院の最先端技術により、一命はとりとめた。事故の後遺症で顔が焼けただれ、足や腕の動きも不自由になってしまった太田哲也選手。しかし、一時は自殺をも考えながら、かれはリハビリに耐え、レースの世界に帰ってきた。この番組は、その太田哲也選手復帰までの軌跡を丁寧にレポートしている。と同時に、事故が起きたときのサーキット側の緊急体制の不備や、コース係員の訓練がなされていなかった実情も、はっきりと伝えている。にしても、テレビ朝日の編成はよくわからない。こういう真摯なドキュメンタリーをひょいとこういう時間帯に放りこんでくる。もっと多くの人にこういう番組を見てもらうためにも、ここを正式に帯のドキュメンタリー枠にしたほうがいいんじゃないかなあ。いや、ほんと。まじにそう思うよ。
2001/09/01 (Sat)
「ウイークエンドスペシャル 戦場のITビジネス〜狙われる希少金属“タンタル”」NHK衛星第1 毎週末22時〜22時50分
携帯電話に欠かせない希少金属がある。その名はタンタル。その金属(鉱石)をめぐって、コンゴ民主共和国の内戦が混沌の様相を見せはじめている。タンタルが莫大な富を生みだすからだ。タンタルからつくられる小さなタンタル・コンデンサーは、超小型であることを要求される携帯電話に多く使用されている。携帯電話の需要は毎年伸びる一方で、それにつれ、タンタルの価格も急速に高騰していく。内戦のつづくコンゴにおいて、そういう金の成る木が争いの火種にならないはずがない。政府、反政府勢力、どちらも資金がほしい。その状況を利して、怪しいビジネスマンが跳梁する。コンゴのタンタル産地ワリカレは、戦場の真っただ中だ。そういうところで、さまざまな思惑が蠢き、希少金属を奪い合う。周辺国家の軍隊までが介入してきている。隣国のルワンダなど、コンゴ領内に軍を駐屯させ、タンタル鉱山をつぎつぎと支配しているほどだ。あからさまな侵略行為である。しかし、そこにコンゴ出身のビジネスマンが目をつけた。反政府軍経由のタンタル鉱石輸出は、すでに独占体制が築かれてしまっている。だが、ルワンダ経由ならば、まだ打つ手がある。一種の離れ技だ。この状況にロシア人の貿易商がからみ、アメリカの投資家グループが加わってあらたな事態が動きだす。いやもう凄絶としか言いようがない。こんな中でも日本人はきっと「戦争はいけないよ」「平和について、みんなで話し合おうよ」なんて言っちゃうんだろうな。この番組は衛星放送での再放送だけでなく、NHK総合のNHKスペシャルでも放送が予定されているらしい。なるべく多くの方に見ていただくことを希望する。
2001/09/02 (Sun)
「非破壊検査スペシャル 歴史ロマンミステリー 東大寺・大仏誕生の5000日〜天平のテクノ・ルネッサンス」日本テレビ 14時〜15時25分
またも非破壊検査株式会社が提供する歴史検証番組。この会社がスポンサードする番組は、どれも興味深いね。自社の仕事をアピールする目的と、その対象となる遺跡、美術品の紹介が、ぴったりうまく噛み合っているので、こういうおもしろいドキュメンタリーが生まれてくるのではと思う。さすがに、ここまで企業のイメージCMと密着したドキュメンタリーは、NHKといえども、つくることはできない。民放の利点を最大限に生かしているように感じられる。で、今回は東大寺大仏殿の大仏。創建当時の姿(丸顔、ぽっちゃり型)をCG映像で再現させるためにあれこれと工夫を凝らす。レポーターは、寺尾聰さんと鶴田真由さん。ナレーションだけを聞いていると、「世界遺産」と間違えてしまいそう(ちょっと嘘)。東大寺の四季や催し、大仏建立と受難の歴史など、さまざまな内容を要領よく詰めこんでいる。一部、観光ガイドみたいで、いかにも民放のドキュメンタリーらしいところもあるが、これはまあ許容範囲内といっていい。ただ、水銀アマルガムによる金鍍金の過程のレポートがほとんどなかったのが、少し気にかかった。東大寺大仏という巨大仏像への金鍍金は、まさしくあの時代のテクノ・ルネッサンスではなかったのだろうか。銅の型流しこみによる鋳造技術については丹念に描き、陸奥の国での金産出に関しても現地ロケまでしているのに、鍍金だけ省略というのは、あまりにも片手落ちである。いまはすっかり忘れ去られてしまった丹の民のためにも、ぜひ入れてほしかったなあ。
2001/09/02 (Sun)
「NHKスペシャル 緊急討論 待ったなし日本経済〜改革をどう進めるか」NHK総合 21時〜22時45分
株価低落がつづき、GDPも下落し、デフレも継続中ということで、この手の討論番組が増える傾向にある。しかし、いまの状況はまさしく「米百俵」そのままだね。小泉首相、ここまで見越してあの逸話をたとえとしてだしていたのだろうか。それなら、ちょっと驚いてしまう。この場合「米百俵」は「国債」もしくは「補正予算」となる。痛みに耐え、次世代のために米を食いつぶすことなく(借金を増加させることなく)、構造改革で国家財政を立て直そうとする小林虎三郎(小泉首相)、それに対し、この不景気からくる先行き不安に我慢できず(あるいは自身の利権が失われることに危機を感じ)、小林に詰め寄る藩士たち(筆頭は亀井静香議員かな。しかし、その蔭に、山のような藩(自民党)の重鎮が隠れている)。こういうときこそ、米百俵の教えに感激、賛同したマスコミ、国民がひたすら小林虎三郎を支持、支援すべきなのだが、少し風向きがおかしいところもある。あのたとえ話がだされたとき、この事態はすでに予測されていた。いまは、単にそのとおりになっただけである。となれば、やることはひとつだ。米百俵に感銘を受けた人は、心を揺るがせてはいけない。とくに、マスコミが小林虎三郎に詰め寄る藩士のひとりになるのは、言語道断である。そういうマスコミがいたら、それは排除しよう。また、詰め寄る藩士となっている国会議員がいたら、その名前と選挙区を覚えておこう。つぎの選挙では、そいつを落選させよう。小泉首相も、構造改革に協力しない省庁の大臣は更迭してしまうくらいの気概を持ってほしい。そこまでやらなくては抵抗藩士(含 官僚)を黙らせることはできない。
で、肝腎の討論だが、塩爺財務大臣の気魄が他を圧していた。塩爺に失言が多いのは、改革意欲が高いからだ。そのことが、はっきりと伝わってくる。それを、いちいちあげつらう必要はない。いけいけ、塩爺。どんどん飛ばせ。応援旗、振っちゃうぞ。
2001/09/03 (Mon)
「BS朝日スペシャル 浅間山荘事件30年目の真実!今、初めて語る証言者たちの人質救出作戦」BS朝日 21時〜22時50分
1972年2月、連合赤軍によって惹き起こされた浅間山荘人質籠城事件を振り返り、当時の状況を詳しく考察した番組。進行の中心に据えられたのは、当時、警察庁警備局付警務局監察官として長野県警機動部隊の指揮にあたっていた佐々淳行さんである。でもって、ナレーターは声優の政宗一成さん。こちらは、現在、警視庁墨東署で課長をつとめている。って、こういうところでアニメネタを飛ばしてどうする。>わし。
このとき、後藤田正晴警察庁長官は「警察官による拳銃使用の厳禁」を申し渡した。インタビューで、後藤田元長官は、その命令の理由をあれこれ言っているが、現在の視点から見れば、明らかにむごく、厳しい命令である(攻防戦における死者は3名、重軽傷者は27名。むろん、連合赤軍側の数ではない)。もっとも、当時においては警察権力のトップがこのように考えるのは、無理からぬものがあった。1972年とは、そういう時代だったのだ。そして、この事件は30年を経、ようやく歴史となった。歴史をいまの感覚、倫理で考察することはできない。その時代には、その時代特有の思考の流れがある。それを否定することはできない。わたしは、赤塚不二夫さんのフジオプロの一室にもぐりこみ、そこのテレビで、この激しい攻防戦の一部始終を見た(アパートにテレビがなかったんだよ)。視聴しているうちに、いろんなことを思いだしてしまう。あれこれ、なんだかなつかしいね。にしても、夫婦愛をやけに強調した「プロジェクトX」風の構成とはいえ、ある意味、警察・機動隊の礼讃番組でもあるこのドキュメンタリーを朝日がよくつくったなあ。地上波と異なり、BS朝日はけっこう健全なのかな? なお、後半、山荘内突入からのシークエンスには、文字どおり手を握った。番組の中で佐々さんも言われていたが、この事件をきっかけに、日本人は、一気に左翼革命幻想から目覚めて、大学も社会も、大きく正常化された。某新聞社も、某政党も、早く目を覚ましてほしいものである。
2001/09/05 (Wed)
「ハゲ治療の新世紀〜噂の育毛剤から遺伝子治療まで」BS-i 12時〜14時
ハゲは深刻な問題である。ミノキシジル愛用者であるわたしの場合、完全に他人事ではない。今回は2時間にわたって脱毛とその治療法をレポートするという。さすがは放送時間に余裕がたっぷりとあるBSデジタルコンテンツだ。必視聴番組である。迷わず見た。のっけから発毛遺伝子と脱毛遺伝子を紹介しはじめた。発毛遺伝子の名称は「ソニック ヘッジホッグ」。うーん。どこかで聞いたような名前だなあ。青くて、そこらじゅうを走りまわっているような遺伝子である。この遺伝子操作がうまくいくようになれば、とりあえずハゲ状況はかなり好転するらしい。でも、まだまだ先の話だ。いま現在は、実験もマウスレベルに留まっている。
で、すぐに使える技術としては、植毛が重点的に紹介されていた。自毛だけでなく、他人の毛の植毛、冷凍した毛髪の植毛など、研究の流れは多岐にわたる。これらの技術が完成すれば、植毛する毛がまったくなくなってしまった人でも、若いときの自毛や他人の毛髪で植毛が可能になる。しかし、植毛のコストなんかは、ぜんぜん教えてくれない。重要なのは、費用対効果なんだよね。植毛手術の工程は、見ていると、すごく手間がかかっているのがよくわかる。どう考えても、高価だし、熟練した技もいる。このあたりをどうするのかも、今後の課題のひとつかもしれない。わたしは着実に効果がでているので、もうしばらくミノキシジルでがんばってみる。リアップではなく、ニュージーランドのHEADWAYという製品だから、値段も安いしね。
2001/09/06 (Thu)
「イタリア通」フジテレビ 月〜木 23時〜23時40分
4夜連続で放送されたイタリア紹介番組。嘘くさい(というか、もろに大嘘の)ドラマ仕立てで、イタリアの各地に関して、駆け足で薀蓄を披露する(1回ぶんが40分、実質、30分ほどしかない)。初日が「ジュリアス・シーザーのローマ」。2日目が「マルコ・ポーロのヴェネツィア」。3日目が「レオナルド・ダ・ヴィンチのフィレンツェ」。そして最終日が「ジュゼッペ・ヴェルディのミラノ」。展開パターンはどれも同じ。新婚旅行でイタリアにきた男が、行く場所、行く場所で知ったかぶりをして笑いものにされる。そのたびに新婦が怒ってどこかに行ってしまう。それを江守徹さんの扮する謎のイタリア人が救う。この切り口の怪しさからみて、内容は初歩的な知識の羅列ばかり……と思っていたら、これが意外、なかなかにおもしろい。ローマ編ではルビコン川や水道橋、ヴェネツィア編ではため息橋、フィレンツェ編ではミケランジェロのダビデ像、ミラノ編ではスカラ座もちゃんと見せてもらえたし、イタリア建国の話には、けっこうしみじみとしてしまった。しかし、あぶなくて、おかしくて、仰々しい人を演じると、江守徹さんは抜群だね。アルコールの入った本人そのままという噂もあるらしいけど。ぜひ、フランス通もつづけて放送してほしい。で、そのつぎはドイツ通、スペイン通ね。ターミネーター通もいいなあ。って、それはネタやんけ。
2001/09/09 (Sun)
「ワールドドキュメンタリー ナチスと闘ったスパイ〜イギリス・SOE工作員」NHK衛星第1 23時30分〜24時20分
第二次大戦中に、対ナチス戦用として創設されたイギリスの特殊部隊SOE(The Special Operations Executive)の全貌を描く4回シリーズの最終回。制作はBBC。関係者の証言、当時の映像、再現映像を交えてつくられた3時間20分の大作である。こういう作品、見応え十分だが、見るのはたいへん。第1回は「初めての大仕事」。第2回が「工作活動の舞台裏」。第3回が「不屈のスパイ魂」。第4回が「連合軍勝利の陰で」。とにかく、証言者としてでてくる元隊員の仕事始めのころが、どれもこれも、けっこうかっこ悪い。ここがすごくリアル。素人がいきなりスパイにされたって感じで、ぜんぜん訓練された特殊部隊という雰囲気がない。仕事をはじめても、綱渡りの連続である。さあ、活動開始とはりきったとたんに逮捕されたりしてね。スパイ組織の成長物語だなあ。活動も、戦況に応じて何をするのかを決め、手探りで解決策を見つけてくる。やるのは、情報収集だけではない。橋などの破壊活動もさかんにおこなっている。実体としては、諜報員と破壊工作員を兼ねた特殊部隊隊員という感じだ。そういう状況でも、回を追うごとに作戦が複雑になり、隊員の動きも洗練されていく(とはいえ、格闘技訓練の教習用フィルム映像は、かなりださい。空手や柔道も取り入れているようだが、技は素人のそれである)。変電所爆破、軍事工場破壊、鉄道爆破等々、つぎつぎと成功をおさめ、高い評価を得る。いいねえ、戦勝国は。こういう自慢話を堂々と放送できるから。で、最終回はノルマンディ上陸作戦がメインだ。その裏で、どのようなスパイ活動や工作員の画策があったのかが丹念に描かれている。そして、連合軍が勝利し、役目を無事に終えたSOEはめでたく解散ということになる。ところが、そこにドラマが待っていた。解散を目前にした1946年1月のある日、ベーカー街にあったSOE本部が謎の火事によって焼け落ち、保存されていた機密資料のほとんどが焼失してしまうのだ。誰かが故意に処分したのか、事故だったのか。それについては、何も触れられていない。うーん、ちゃんと最後まで秘密諜報機関していたんだね。さすがは007の大英帝国である。
2001/09/09 (Sun)
「NNNドキュメント'01 アイがお母さんになって〜解き明かされる500万年の謎」日本テレビ 毎週日曜日24時25分(24時55分)〜25時20分(25時50分)
天才チンパンジーとして知られているアイの育児レポート。野球放送延長で、30分ずれた。愛知県犬山市の京都大学霊長類研究所。そこにチンパンジーのアイちゃん(23歳)がいる。世界でもっとも有名なチンパンジーといっていい存在だ。そのアイちゃんに子供が生まれた。名はアユム。そうしたら、あちこちで特集番組がつくられた。NHKでも放送された。これも、そういう番組のひとつである。でもって、民放ドキュメンタリーとは思えないほどに抑えられたナレーションの語り口と、情報の豊富さにちょっと驚いてしまった。意外な収穫だ。ひじょうによくできている。さすがはドキュメント'01。すばらしい。500万年前、チンパンジーと人類は同じひとつの種であった。そこからなぜか枝分かれし、現在に至って、チンパンジーと人類に完全に分かれてしまった。それが、どのように分かれ、どのように変化していったのかを子供の成長を比較して調べていこうというプロジェクトが、このドキュメンタリーの主題だ。天才の子は天才たりうるのか。さまざまに興味深い事例が、すでに観察されている。世界ではじめて確認された習性も少なくない。今後も定期的に成長過程を放送し、新発見をつぎつぎとレポートしてほしい。期待している。
*再放送情報(米同時多発テロ関連報道により、休止になる可能性あり)
「NHKスペシャル 宇宙 未知への大紀行 第5集 150億年の遺産〜生命に刻まれた星の生と死」10/1 NHK総合 24時15分〜25時5分
「NHKスペシャル 宇宙 未知への大紀行 第6集 もうひとつの地球を探せ」10/2 NHK総合 24時15分〜25時5分
「地球に乾杯 雨を呼ぶ神 マチェンドラ〜ネパール・30万人の祈り(短縮版)」10/3 NHK総合 23時〜23時50分
「BS朝日スペシャル 南米ギアナ高地」10/7 BS朝日 13時〜14時50分
「NHKスペシャル 日本人はるかな旅 第2集 巨大噴火に消えた黒潮の民」10/8 NHK総合 24時15分〜25時5分
「BS朝日スペシャル 浅間山荘事件30年目の真実!今、初めて語る証言者たちの人質救出作戦」10/15 BS朝日 21時〜22時50分
2001/09/10 (Mon)
「スーパーテレビ 情報最前線 参上!必殺女料理人 老舗料亭を建て直せ」日本テレビ 毎週月曜日21時〜21時54分
経営難に陥り、傾きかけた飲食店を改造して建て直す、女性だけの組織があるという。その組織のレポート。裏番組が「愛の貧乏脱出大作戦」というのがいいね。狙ったのかな? 今回の依頼先は大阪の料亭。タイトルには老舗とあるが、まだ創業60年にも至っていないので、あまりそういう感じはしない。そこの三代目が、じり貧で先行き見こみのない店の復興を、この建て直し組織に頼んだ。しかし、この料亭、人材的にも、店の格としても、とても料亭としてやっていける状況ではない。そこで建て直し人は、この店を低料金の女性向け居酒屋にすることを提案、店の名も「よかろ」から「ございや」に変えてしまう。創業者である祖母、二代目の両親、そして気の弱い三代目とその嫁があれこれ入り乱れて、店は大きくリニューアルされ、新規開店の日を迎える。あざとい演出をかましまくって、いかにも不自然な展開になってしまっている裏番組と違い、極めて素朴に構成されているところに、わりと好感が持てる。「ガチンコ」もそうだけど、つくりすぎると、やっぱりつまんないね。
2001/09/10 (Mon)
「ER VI」NHK衛星第2 毎週月曜日23時〜23時50分
今シーズン最大の山場、ハサウェイ婦長がダグと再会するエピソード。なのに、なのに、最後のその最高のシーンのところに台風の雨雲がきた。豪雨が降りだした。CATV経由の放送はノイズだらけで、音声もおかしくなった。我が家の60センチパラボラ経由のほうはノイズが画面全体にのってはいるものの、CATV経由よりはまし。音声もちゃんとしている。あわてて60センチパラボラ視聴に切り換える。しかし、こんなにどたばたしていたのでは山場の盛りあがりも雰囲気もあったものではない。台風の馬鹿ぁ。伊勢湾台風よりも悪質な台風である。NHKには、この回だけ、早急に再放送をお願いしたい。契約とか、いろいろあるだろうけど、これは災害である。ぜひ、なんとかしてほしい。なお、豪雨による電波障害は「ER」放送直後に雨が小降りになり、解消された。しかも、番組のタイトルが「雨を降らす男」である。悪質ないやがらせだね、こいつは。
2001/09/14 (Fri)
「ドキュメント地球時間 再現!イエス・キリストの生涯」NHK教育 毎週金曜日22時〜22時45分
CG再現などのさまざまな手法を用いて、イエス・キリストの生涯を3回シリーズで見せていこうという番組。シリーズが終了してから感想を書くつもりでいたが、1回目の誕生のシーンだけでちょっと感動してしまったので、とりあえずそのことのみを記しておく。東方の3博士が、なぜユダヤ教のラビでなく占星術師であったのかも、よくわかった。CG合成もすばらしい。
2001/09/15 (Sat)
「ハイビジョンスペシャル 東京・ヒートアイランド」BS-hi 19時30分(20時)〜21時30分(22時)
巨大都市部の気温が急上昇している現象のレポート。アメリカ同時多発テロ報道に伴うニュース枠拡大のため、放送時間が30分ほど狂ってしまった。そのため、録画は完全に失敗。いまの時期、リアルタイムで見ることなくタイマー録画をするというのは、ちょっと不可能みたいね。再放送を待つことにする。
2001/09/15 (Sat)
「NHKスペシャル 新たな“戦争”〜同時多発テロ事件の全容」NHK総合 21時30分〜22時20分
今回のアメリカ同時多発テロに関しては、さまざまな特別番組が放送されている。この番組を、それらの代表として扱い、わたしの見解などを少し述べておこう。が、その前にまずやらなければならないことがある。このテロの犠牲になった人びとへの追悼だ。かれらとその家族・友人に対し、心からお悔やみの言葉を伝えたい。かれらは圧倒的かつ理不尽な暴力のいたましい被害者だ。このようなむごい目に遭ういわれは毫もなかった。Webでは、さまざまな人たちが、この事件に関して自分の意見を書かれている。その中には、事件の犠牲者のことなど一顧だにせず、「アメリカは、これまでの傲慢の報いを受けた」というような意味のことを、いきなり記している人がいる。「ざまーみろっ」という言葉を使った国会議員(社民党)もいた。ひどい話だ。Web日記や掲示板等の公開の場で声高に自説を主張する前に、人間としてまずやっておくべきことがあるのではないだろうか。それを無視して、何が意見の開陳かと、わたしは思う。驚いたことに作家の中にも、そういう書き方をしている人がいた。意見は意見、何をどのように書かれてもいい。だが、それ以前に人間性を失ってしまっては、なんら意味がない。そんなことをしていては、いかにその人の意見が正しかろうとも、根本的に説得力をなくす。作家として文筆活動をしてきて、そんなことにも思いあたらなかったのだろうか。同業者として、恥ずかしい限りである。
さて、このテロ事件だが、ブッシュ大統領はこれを「戦争」と呼んでいる。これはそのとおりだ。間違いない。狭い意味での戦争の概念は、時代や民族、その状況によっていろいろと変化する。元寇において、戦う前にまず名乗りをあげようとした鎌倉武士は、高麗・元連合軍がいきなり爆弾や毒矢を撃ちこんできたことに仰天する。かれらにとって戦争(いくさ)とは、まず互いに名乗りあってからおこなうものだったからだ。それを省いたものは、だまし討ちや私闘のたぐいであり、武士のいくさ=戦争ではない。同様に、織田信長軍の車懸りによる集団鉄砲戦で敗走した武田軍も、こんなものは武士がする戦争(いくさ)ではないと思ったはずである。
そして現代、戦争は「紛争を解決するための合法的な外交手段のひとつ」となった。合法的だから、それにはルールがある。非合法なら、ルールは要らない。なんでもありになってしまう。だが、現代の戦争には、はっきりとルールが設けられている。宣戦布告の義務。BC兵器の使用制限。非戦闘員と戦闘員の区別。捕虜の処遇等々。さまざまなルールが、ひじょうに細かい形で、きちんと制定されている。このルールから外れたものは、戦争ではない。それは「人類とその文明に対する凶悪な犯罪」となる。
しかし、時代は変わった。ソ連邦崩壊による二大国対立状況の終焉が、そのきっかけとなった。激しい憎悪と狂信によって惹き起こされる組織暴力は、国と国とのルールある争いを瞬時に蹴散らした。非戦闘員をも対象とするルールのない集団テロ。それが21世紀の戦争の(狭い意味での)概念だ。概念をこのように変えないと、いまこの時代に起きている組織暴力の実態を語ることができなくなる。ある意味、概念が過去に戻ってしまったと考えていいだろう。ルールを守らせるのは、圧倒的に強い立場にいる者である。その立場に相当する国家のひとつが解体された。その時点で、近代戦争の概念はもろくも崩れ去った。そのことを、この番組内では、軍事アナリストの小川和久さんが「従来の戦争というのは国と国との間のものだったのですが、そうではない、21世紀型の戦争の最初のものが、想像を絶する形で襲いかかってきた」と表現し、産經新聞の「産経抄(2001年09月14日 東京朝刊掲載)」では、このように表現した。同紙より引用しておく。
「今回のテロは戦争行為である」とブッシュ大統領はのべ、全力をあげて軍事報復する決意を表明した。そうなのだ、この米中枢同時テロは、間違いなく「新しい形の戦争」あるいは「形を変えた戦争」と呼ぶべき現象だった ▼なぜならば、テロの黒幕とみられるイスラム原理主義者ビンラーディン氏は日ごろからこんな“教義”を口にしていた。「いつでもどこでも可能な時に米国人を殺せ」。すでにハンチントン氏の予告“文明の衝突”は現実になっていた」
組織的テロが戦争と認識されるのならば、仕掛けられた国は、それを受けて立たねばならない。そうしない国は戦争の敗北者となってしまうからだ。それでは国家そのものが立ちいかなくなる。国土をテロリストに蹂躙され、国民がつぎつぎと殺されていく。そういう状況を見据えた上で、戦争とは何かを考察し、経緯を見守る。その姿勢が重要だ。この番組は、その第一歩を示していた。が、最後にキャスターの藤沢秀敏さんが述べた総括は、よけいだったね。これこそ、理想論的な、いわゆる「あたりさわりのない感想」である。この事件を語るためには、まずこういう物言いを排除するところからはじめなくてはいけない。21世紀の戦争は、そういう戦争なのである。
ところで、テレビを見ていると、「戦争」という言葉に異様なほど否定的反応を示す人がいることに気がつく。戦後民主主義教育とやらで戦争について考えることを封じられ、言葉に対する自立した考察力を失ってしまった人びとの反応だ。井沢元彦さんふうにいえば、言霊の呪縛に捉えられ、「戦争」という言葉に無意味な嫌悪感を抱くようになってしまった哀れな人たちである。こういう人たちに、戦争は考察できない。今回の事件を冷静に分析することもできない。9月16日の産經新聞朝刊には、こんな記事も載っていた。これも一部を引用しておこう。
■参加者発言で紛糾 タウンミーティング
金沢市で十五日に開かれたタウンミーティング(対話集会)で、米中枢同時テロへの報復を鮮明に打ち出した米政府を支持する日本政府への批判が出た。会場が一時騒然となり、出席した市民が退場させられる一幕もあった。集会では、テロ事件への対応について「話し合いで解決すべきだ」などの意見が出た。(中略)会場には「反有事法制」などを主張する市民らが入場しており、これが騒ぎを大きくした面がありそうだ。
テロは「話し合いを拒否し、敵とみなした人びとを戦闘員、非戦闘員にかかわらず一方的に殺していく」ことの断乎とした意志表明である。こんなことは3才児くらいの知能があれば誰にでもわかる。スイス500年の平和は鳩時計を生んだが、日本戦後60年の平和は大量の馬鹿しか生まなかった。わたしがテロ集団の指導者なら、今後、テロの矛先を日本に変更する。無差別攻撃をすると、アメリカは団結して武力で必ず反撃してくるが、日本は大丈夫。国民の中に自分たちの身を守ろうという意識を持たないものが多数おり、おまけにまともな軍隊も持っていない。テロにより無辜の人びとが数千人殺されても、「話し合おう」などと寝ぼけたことを言ってくれる。ルール無用の殺戮し放題が実現する理想の国、それが日本だ。そのぶん、テロを仕掛けても、さほどの効果が得られないけどね。こんな国、世界世論もあきれて見捨ててしまうから。
2001/09/16 (Sun)
「世界アルツハイマーデースペシャル もの忘れ 始まっていませんか?」テレビ東京 16時〜17時15分
9月21日は、世界アルツハイマーデー。この番組は、それに合わせてつくられ、放送されたもの。もちろん、これもハゲ治療同様、他人事ではない。物忘れ、完璧にはじまっている。したがって、しっかりと見た。最近、本当に物事を覚えられないんだよね。人の名前がでてこないのは当り前、食事をしたのかどうかも覚えていなかったりする。書斎からリビングにでてきて、なんのためにでてきたのか思いだせず、部屋に引き返すこともしばしば。どう考えても、これはまずい。さっそく番組内で取りあげられた「アルツハイマー危険度テスト」もやってみた。結果はぎりぎり「正常」の8点。しかし、これは自己採点だから、少し甘くなっているかもしれない。となると、さじ加減では「要注意」に入ってしまう。ああ、どうしよう。
というわけで、この番組は一般参加者からのQ&Aに多くの時間を割いた。これ、正解ね。初歩的だが、訊いておきたい質問がたくさんでてくる。他の内容も、アルツハイマー研究の現状や患者・家族援護組織の紹介、治療現場のレポートなど、参考になることが多く、ひじょうにいい番組であった。ゴールデンタイムでの再放送を希望したい。でも、番組よりもなによりも、いちばん印象に残ったのが、スポンサーであるエーザイとファイザー製薬の共同ドラマCM「澤口家の夏」。4話仕立ての構成で少しずつぼけていく老人を演じる加藤治子さんの演技には、本当にびびってしまった。こんな怖いCM、ほかにはないんじゃないかな。
2001/09/16 (Sun)
「ダイナソー よみがえる恐竜の大陸」ディスカバリーチャンネル 20時〜22時
9月になっても、恐竜番組である。冒頭、現代のニューヨークがでてくる。その背景に燦然と聳え立っているのは、貿易センターのツインタワービル。そこから舞台は一転し、フルCGで描かれる太古の世界へと移る。実写そのものとまではいかないが、かなり精密なアニメーションで、リアル度は相当に高い。三畳紀の爬虫類世界からジュラ紀、白亜紀へと丹念に恐竜の進化の過程を追っていく構成もすばらしい。いかにもディスカバリーチャンネルのコンテンツという感じがする。CGで再現された恐竜の生態描写は、ひじょうに細かい。まさしく、見てきたようななんとやらだ。ステゴザウルスのオスがメスに交尾を迫るところなど、そこまで描くのかよというレベルね。こういう再現は、説得力が異様に高いので、見た者は、そのままそうだったのだろうと信じこんでしまう。そこが、少し怖い。この番組では、いくつかの恐竜の姿を羽毛や体毛に覆われた形で復元させている。ドロメオサウルスなんか、目も口も全体の雰囲気も、ほとんど鳥類そのまま。ノスロニクスはダチョウそっくり。本当に、これでイメージを脳裏に焼きつけてしまっていいのかなあ。たとえば、Tレックスについては、ワニの専門家が「ワニと龍 恐竜になれなかった動物の話(平凡社新書91 青木良輔著 ISBN4-582-85091-X C0245)」という本において「唇に相当するものがあり、口を閉じている状態では歯を見ることはできなかった」と参考イラスト付きで書いている。しかし、この番組の再現CGでは、Tレックスの上顎歯列は完全に剥きだしだ。ぜんぜん唇に覆われていない。なまじリアルな画面だけに、こういう細かい部分が気になったりする。この点に関しても、専門家の補足がほしいと思ってしまった番組であった。
2001/09/16 (Sun)
「NHKスペシャル 狂牛病〜なぜ感染は拡大したか」NHK総合 21時〜21時50分
先日、ついに日本の牛が狂牛病に感染した(放送当時はまだ「感染の疑い」だったが、その後、公式に感染が確認された)。というわけで、狂牛病とは何かをすかさず放送する。これこそ公共放送の存在意義といえよう。狂牛病の歴史、プリオンの解説、対応策の現状など、ひととおり必要な情報をコンパクトにまとめて、わかりやすく入れてある。しかし、わたしはイギリスに行ったとき平気でハンバーガーを食べまくっていたけど、これってすごく危険なことだったのね。あらためて無謀なことをしたなあと思った。わたしの物忘れの悪化の原因がこれでないことを強く祈る。
2001/09/16 (Sun)
「ワールドドキュメンタリー 家族の系譜〜アイスランドの遺伝子研究」NHK衛星第1 23時〜23時50分
タイトルは「遺伝子研究」だが、冒頭25分(番組の半分だ)くらいは、遺伝子の話がぜんぜんでてこない。語られるのは、アイスランドの人間がいかに家族の系図や歴史を重要視しているかのエピソードばかりである。1998年12月、このアイスランドで国(遺伝子研究所)とスイスの製薬会社が遺伝子研究に関する契約を結んだ。人口27万人の国民すべてのゲノムデータをその企業に渡し、遺伝子データバンクをつくってもらった上で、アイスランド人が患っている病気の原因や治療法を見つけてもらおうという画期的な契約である。27万人という少ない人口の国だから、こういう発想がでてくるのだろう。当然、国民の中には、こういう契約に反対する人もでてくる。漠然とした不安を感じている人も、少なくない。後半25分は、そのことが、わりと淡々と紹介されていく。しかし、多かれ少なかれ、今後はどこの国でもこの手の問題が必ずでてくる。日本も例外ではない。われわれも、こういう番組を見て、いまから心の準備をしておこう。
2001/09/16 (Sun)
「MUSIC YELL! はやし系」日本テレビ 毎週日曜日26時25分〜26時55分
ゲストが大槻ケンヂさん。なんと、歴代星雲賞受賞者のリストが、いきなり画面に流れた。大槻ケンヂさんがこの賞の受賞者だという紹介の流れでこういうことをしたらしい。これって史上はじめてのことじゃないかな。もちろん、わたしの名前も入っていた。「遙」が「遥」になっていたけど。
日本SF大会参加者(含 登録者)だけで選ばれてきた、けっこうマイナーな存在の星雲賞。これがメジャーなものになったら、その最大の功労者は大槻ケンヂさんということになるね。できれば、もっとSF大会に顔をだすようにしてほしいなあ。毎回出席なら、大歓迎である。
2001/09/18 (Tue)
「魔法戦士リウイ 最終回」WOWOW 毎週火曜日18時30分〜19時
中途半端な最終回。続編へのつなぎって感じ。作画品質が最後まできちんと保たれ、演出にも工夫のある作品だったが、こういう最終回は、あまり歓迎できない。続編、OVAにつなぐとしても、最終回は最終回である。ちゃんと終わらせるようにしてほしい。画龍点睛を欠いたという印象であった。残念。
2001/09/18 (Tue)
「ハイビジョンスペシャル アフリカ最期の原生林 ンドキの森〜川を渡るゴリラを見た」BS-hi 20時〜22時
*アメリカ同時多発テロにつづき、予定外の外出がつづいて、ビデオ録画番組が溜まってしまった。項目表記が前後するので、中抜き掲載は避けたかったが、ここまできたら、どうしようもない。いくつかをあとまわしにして掲載をおこなう。よろしくご了承していただきたい。
タイトルの「最期」は「最後」の誤植じゃないかなあ。とりあえず、そのまま掲載しておくけど、ちょっと気になった。
で、これはアフリカはコンゴ共和国にあるヌアバレ・ンドキ国立公園を紹介する番組である。ほのぼのとした映像が2時間、ずうっとつづく。ほとんど環境ビデオだ。仕事の間、流しておくと、けっこういいんじゃないかな。でも、タイトルにある「川を渡るゴリラ」は簡単には見られない。はじまって82分ほどして、ようやくドラミングの音が響き、西ローランドゴリラが登場する。川を渡るのは、さらにその28分後である。で、渡ってすぐに番組は終わる。うーん、ちょっともったいつけすぎだぞ。
2001/09/18 (Tue)
「ETV2001 アメリカとイスラム〜『文明の衝突』は避けられるか」NHK教育 22時〜22時45分
アメリカ同時多発テロ事件で、急遽、放送された番組。集英社も、あわてて著書を増刷したみたいだし、ハンチントン氏はひっぱりだこだね。内容は今回のテロ事件の背景をイスラム教の立場から解説したもの。その多くは、もう新聞や雑誌の特集などで書きつくされている。さすがに2週間遅れとなると、情報が古びる。
で、今回の事件に関する見解を少し追記しておく。
まずは「報復」という言葉だ。これもすでにあちこちで書かれているが、「報復」という言葉ははっきりいって適切ではない。これを日本のメディアが使用するのは、何かためにする意図があってのことだろうか。わたしには、そうとしか思えない。報復という言葉がいかに不適切であるかを示すため、代表して、産經新聞に掲載された記事の一部を引用しておこう。特派員の署名記事だ。今回の歴史的規模の同時テロが起きて以来、攻撃を受けた側の米国の政府は当初からそのテロに対する対応は「報復」でも「復讐」でもないという立場を明確にしている。ドナルド・ラムズフェルド国防長官は二十五日の記者会見でまさにこの点を質問された。「米国内になんらかの形の報復をすぐに求める声があるが」と問われ、同長官は「真実をいうならば、この対応は復讐(リベンジ)ではない。報復(リタリエーション)でもない。自衛なのだ。米国はテロから自国を守る唯一の方法はテロリストに戦いを挑み、追跡していくほかないことをよく知っている」と述べ、これからの対テロ作戦が「報復」ではないことを強調した。ワシントン9月29日 古森義久
アメリカは驚くほど慎重に、この対テロ作戦を進めようとしている。徹底的に合法的に処理しようとしている。その粘り強さには本当に感嘆させられる。
今回、テロ組織は戦争のルールを無視した非合法な攻撃をアメリカに対し、仕掛けてきた。アメリカは、これを戦争と認識し、その対抗策を即座に打ちだした。不思議なことに、いまにも戦争がはじまるように言っている人がいる。むろん、それは間違いだ。アメリカをはじめとする諸国……ロシアも、中国も、NATO加盟国も、その指導者たちはみな、戦争は「旅客機が貿易センタービルに突っこんだ瞬間」にはじまったと認識している。だから「これは戦争だ」とアメリカが宣言したときから、それらすべての国は戦争協力態勢に入った。戦争ならば、アメリカは戦争のルールに則った合法的な反撃をおこなう。ならば、力を貸すのにやぶさかではない。そのように判断した。某番組で、高名な弁護士が「戦争ではなく合法的な解決を」としきりに強調していたが、わたしにはこの意味がさっぱりわからない。アメリカは、この非合法な無差別殺戮を合法的に裁きたいから、戦争をする道を選んだのである。そして、すでに戦争の先制攻撃はなされた。今度はアメリカが反撃する番だ。それは言うまでもなく「報復」などではない。合法的な戦争の反撃だ。アメリカは攻撃対象地域に避難勧告を発し、タリバンにも再三再四、ビンラディンの引き渡しを要求した。また、ビンラディン自身にも投降を呼びかけている。他国の領空通過の許可や、基地使用の許可も申請し、確保した。戦争のルールを遵守することで、アメリカはこれを文字どおり正義の戦いにしようとしている。合法的であることは十分に強調された。それに気がつかない評論家やコメンテイターがいるということが信じられない。かれらは、いったい何を考えているのだろうか?
2001/09/22 (Sat)
「ナイナイサイズ!」日本テレビ 毎週土曜日23時30分〜23時55分
ナインティナインがゲストを迎えてのトーク番組。今回は柔道の田村亮子さんがゲスト。トークの合間に岡村隆史さんが合気道の養神館まで護身術を習いにいくエピソードが入る。養神館は、最強と謳われた先代の塩田剛三師範が亡くなられ、いまは息子さんの塩田泰久師範が、指導をされている。岡村さんは、この塩田師範からじきじきに技を学ぶ。しかし、おもしろいのは、そのカットではない。もっとも興味深いのは、画面隅に小さく置かれた窓の中に映しだされている田村さんの表情だ。技の模範演技がでてくるたびに、その顔がきっと引き締まる。目が鋭くなる。ときには自分も動いて、動作を確認したりする。いいねえ。何を考えながら見ているのだろう。自分なら、どうするか? こうこられたら、どう返すか? この動きを自分の技に取り入れられるか? そういうことが頭の中を激しくめぐっているのではと想像してしまう。こういう企画、いろんな格闘家をゲストに呼んで、もっともっとやってほしいなあ。反応を見るだけでも、勉強になる。
2001/09/24 (Mon)
「生命の小宇宙・渚をゆく」NHK総合 16時〜15時30分
日本各地の渚をレポートし、渚の意味、日本人との関わりを紹介した番組。渚は「最後のシ者」ともいい、おたくにとっては重要な存在となっている(おいおい)。ま、ネタはさておき(ネタかよ!)、四方を海に囲まれた日本にとって、渚は欠くことのできない身近な場所である。そこに目をつけ、NHKがこういう番組をつくった。タイトルは硬そうだが、しかし、内容はドキュメンタリーではなく、渚を舞台にした一般向けのバラエティである。わたしも、楽しくのんびりと画面を眺めていた。こういう番組の場合、しかつめらしい評価は必要じゃないよね。たとえ番組の最後に「自然環境を守りましょう」という無意味なアジテーションがあったとしても。
2001/09/26 (Wed)
「あぃまぃみぃ!ストロベリー・エッグ 最終回」WOWOW 毎週水曜日18時30分〜18時55分
いよいよ番組交替の時期が本格化してきた。これからはしばらくアニメの最終回と新番組ががつづく。
で、この番組だ。やおい本来の意味、「山なし、意味なし、オチなし」を採るならば、これはやおいアニメである。話はでたらめ、設定はむちゃくちゃ、リアリティは皆無、構成はばらばらで、映像的な工夫もなし。見せたかったのは、ただ女子中学生のスカートの中身だけ。むろん、それだけでいいというキャラ萌えおたくたちはこれを歓迎し、喜んだ。それだけのことである。安定した作画が、その状況を補完した。評価は、作品に対しておこなわれる。作品でないものに、これ以上何か書く必要はない。
2001/09/26 (Wed)
「シスター・プリンセス 最終回」テレビ東京 毎週水曜日24時45分〜25時15分
これも、本来の意味のやおいアニメである。「ストロベリー・エッグ」との違いは、作画を安定できなかったことだ。そのため、作画の悪い回はキャラ萌えおたくにけなされ、いい回は絶賛された。キャラ萌えおたくは、作品を作品として見ていない。アニメが好きだとか、そういうこともまったくない。かれらが見ているのは、キャラと、その作画レベルと、贔屓の声優だけだ。かれらによる賞賛の中には、映像作品としての総合的な質の評価は、かけらも含まれていない。同様に、非難の中にもそれはない。ま、商売だからね。何をつくってもいいんだよ。DVDと商品さえ売れれば、アニメは産業として成り立っていく。しかし、それを作品として語る言葉を、わたしは持っていない。
2001/09/27 (Thu)
「魔法少女猫たると 最終回」WOWOW 毎週木曜日18時30分〜18時55分
ええっ、これで終わりなの? ちょっと納得できないなあ。12話で終了ということから見て、あと1話が隠されているような気がする。でなきゃ、あまりにも尻切れトンボだよ。作品というのは事件が解決すればそれでいいってもんじゃないでしょ。事件が終わったあとで、すべてのエピソードをきちんとまとめて終わってくれなきゃ、視聴者は置いてけぼりになってしまう。エピローグを隠しているのなら、白状しなさい。>監督。
2001/09/28 (Fri)
「Z.O.E.Dolores,i 最終回」テレビ東京 毎週金曜日26時30分〜27時
予想外にドラマがきちんと組みあがられていた作品。サブタイトルはださいし、SFの設定に関しても不満山積みだったが、物語は、高いレベルで、きちんと構成されていたと思う。これで、もう少し作画が安定していれば、設定関係の不満も、かなり緩和されていたはずだ。このスタッフで、今度つくるときは、ぜひ「宇宙では宇宙での動き」「火星では火星での動き」といった部分を、より正確に描き分けていただきたい。そうでなくては、地球以外の場所を舞台とする意味がない。とくにひどかったのは、火星における生活描写。火星とはどういうところかをアニメーティングも含めて、事前にシミュレートしてほしかった。地球上で撮影するしかない実写映画と違い、アニメでは重力の差異などを簡単に絵で表現できるのである。できることは、やらなくてはいけない。それがクリエイターの使命だ。なお、最終回については、もう少しクライマックスを切りつめ、家族と仲間のその後に時間を多く割くべきであったと思う。これはそういう作品だったはずなのだから。
2001/09/29 (Sat)
「逮捕しちゃうぞ 最終回」TBSテレビ 毎週土曜日17時30分〜18時
先週が最終回かと思う内容だったが、そこをひょいと外して、すっきりとしたラストシーンを用意してくれた。今回のシリーズは作画が安定していたので、けっこうよかったんじゃないかな。アニメーティングもOVA版と異なり、不自然な動きがなくて好感が持てたし。ディーンの長谷川さん、いいスタッフを優先的にまわしてくれたのだろうか。でも、作品としては、このあたりが限界だね。このキャラ、この設定のままでは、これ以上の展開は望めないと思う。
2001/09/29 (Sat)
「ドキュメント地球時間 再現!イエス・キリストの生涯」NHK教育 毎週金曜日22時〜22時45分
3回シリーズの最終回。第1回は「誕生」、第2回は「苦難の道」、最終回は「復活のミステリー」。ドラマ再現とCGによる当時の環境再現を交え、イエス・キリストの生涯をテーマ別に描写している。「誕生」では、いつ、どこで、どのようにして生まれたのかを考察し、「苦難の道」では布教の過程を描き、「復活のミステリー」では、誰がどのように処刑したのかを追求した。また、最終回ではイエスがどのような風貌であったのかも、当時の平均的なユダヤ人の顔面復元を使い、類推している(むちゃごっつい顔。たしか、新聞などでも話題になったんじゃないかな。記憶がかすかに残っている)。さすがに135分をかけているだけあって、内容の密度は相当に濃い。力作である。最後の晩餐の状況再現も資料を駆使し、リアル度は、これまでにつくられたどの映像よりも高い(と思う)。実際の話、当時の基準からいえば、イエスはとんでもない人であった。ユダヤ教の中に、あらたなカルト教団が出現したようなものである。しかも、その教団のボスは徹底してユダヤ教とその指導者の堕落ぶりを追求しようとしていた。となれば、これはもう弾圧するしかないわな。しかし、宗教の弾圧は、その信者の結束を強くする。場合によっては、それがバネとなって、教団の規模を飛躍的に拡大させる。その発端をじっくりと見せてもらった。手もとに聖書を置いて、福音書の記述をチェックしながら視聴すると、なおよい。
2001/09/30 (Sun)
「機動天使 エンジェリックレイヤー 最終回」テレビ東京 毎週日曜日17時20分〜17時50分
最後まで作画と声優の顔ぶれ以外に、評価するところのない作品だった。ということは、わたしの評価対象にはならないということ。肝腎のエンジェリック・レイヤー同士のファイトがあれではね。そこから派生するドラマも意味不明のものへと陥ってしまう。格闘じゃなくて、「遊戯王」のようにフィギュアを用いた3Dゲーム世界を描くようにしたほうが、いい作品になったかもしれない。あとづけで言っていることだから、どうでもいいことでしかないんだけど。
2001/09/30 (Sun)
「NHKスペシャル 瀬戸内海〜豊かさのメカニズムを探る」NHK総合 21時〜21時50分
瀬戸内海のいろいろを紹介する番組。激しい潮流のこととか、海砂が失われたことで減った漁獲量のこととか、カブトガニのこととか、ちょっとした瀬戸内海百科という感じである。気持ちのいい映像がつづくので、ちょっと環境ビデオ的に見てしまった。機会があったら見直してみたいが、その時間がとれるとは、とても思えない。トホホ。