「TV-Watch」2001年2月分

 わたしが見たテレビ番組の感想を適当に掲載していきます。雰囲気としては、喫茶店の隅で仲間が集まり、見たばかりの番組をネタにして、勝手な放言をしているという感じです。読んだ人は、メールなどで反論をよこしたりしないようにしてください。ただし、事実誤認があれば、それだけは指摘に応じて訂正するつもりです。それ以外のクレームはいっさい受けつけません。
HOME
BACK NUMBER

 2001/02/01 (Thu)

「悠久の歴史の中に生きる運河の民〜中国 世界最大・最古の運河1800キロを行く(2)」NHK衛星第2 19時30分〜20時40分
 1月31日に(1)「運河とともに生きる古都の民」が放送された。その放送、旅客機のニアミス事故ニュースで5分ほど時間が狂い、録画に影響がでてしまった。実にまったく迷惑な事故である。って、そういう問題か。
 で、タイトルの運河であるが、2500年前に建設が開始されたものだ。北京から杭州(上海のすぐそば)までをつないでいる。名前はずばり「大運河(そのまんまやんけ)。地図でみるとわかるけど、すごい距離だよ。よく掘ったなあ。最終的に完成させたのは、隋の煬帝。運河沿いには蘇州や無錫など、歌謡曲でも有名な都市がたくさん存在している。番組スタッフはこの運河を伝い、そういう運河近辺の町まちに残っている人びとの生活や文物(功夫、雑技団等も)をこまごまと紹介していく。文化大革命であとかたもなく破壊された有名なお寺が再建されつつあるところなど、なかなかにすごい。世界遺産にもなろうかという名刹が、おのれの保身のためだけに毛沢東が起こした集団ヒステリーで、「箸1本残ることなく」完全に失われてしまったのである。まったくとんでもない国だね。あきれてしまうよ。

 2001/02/02 (Fri)

「ドキュメント 地球時間 ツタンカーメン一族の謎〜王朝はなぜ滅びたか」NHK教育 毎週金曜日22時〜22時45分
 今度はツタンカーメンである。エジプト週間でもNHKはやっていたのかな。で、これはツタンカーメンの墓に一緒に納められていた2体の胎児と、ツタンカーメンの一族に連なるトトメスIII世のミイラからDNAを採取して分析し、その一族の肉体に何か問題があって第18王朝が滅んだのか否かを調べようという企画(ツタンカーメン自身のミイラを使っての調査はエジプト政府に拒否されたらしい)。近親結婚に伴う遺伝的病気が見つかれば、それは滅亡理由の裏づけになるってわけね。もっとも、このあたりの王朝の興亡については、アテン神信仰とアメン神信仰とのせめぎ合いとか、いろんな説があるから、こういうことをしても、はっきりとした結論はでないと思う。なお、番組の結果としては、DNAに異常らしい異常はなかったということになった。つまり調査は空振りだったってこと。貴重な情報はたくさん得られたけど、当初の推論は推論のままで終わっている。やはり、つぎはツタンカーメン自身の精密調査じゃないかな。エジプト政府の英断に期待する。

 2001/02/03 (Sat)

「ワールドドキュメンタリー特集 アメリカ麻薬戦争 前編 政府対密売組織」NHK衛星第1 22時〜23時30分
 後編「むしばまれる国家の苦悩(02/04 22時〜23時30分放送)」と併せて、180分に及ぶ大作だ。むろん、それだけの見応えは十分にある。戦後アメリカにおける麻薬流布の歴史と、その取り締まりの歴史が証言と映像で1枚ずつ皮を剥ぐかのようにつまびらかにされていく。カーター大統領がマリワナ是認策をとろうとしたことなど、重要なキーポイントもちゃんと押さえられている。リベラルを装い、若年層の人気取りに走った結果が、こういう政策につながる。そして、多くの若者が麻薬に汚染され、身を持ち崩し、生命を失っていった。
 しかし、麻薬産業ってのは、本当にすごいね。アクション小説くらいじゃ、とても描ききれていない世界である。国そのものがシンジケートの一部として機能している状況は、まさしく尋常ではない。麻薬の種類も勉強できたし、どういう組織が仕切っているのかも、ほんの少しだけどわかったし、しみじみと参考になった。大感謝作品である。

 2001/02/04 (Sun)

「も〜っと!おジャ魔女どれみ」テレビ朝日 毎週日曜日8時30分〜9時
 新シリーズがはじまった。アメリカからやってきた新しい魔女見習いが加わった。しかし、副題がよろしくない。わたしなら「アスカ、来日」にするね。で、この1回目だが、説明が多すぎる。子供向けであることを割り引いても、これはくどい。ここまで1話で説明してしまう必要があったのだろうか。わたしは、なかったと感じた。

 2001/02/04 (Sun)

「黒船が来た! 日米外交秘話 ある天才役人の驚くべき知性と勇気」テレビ朝日 14時〜15時25分
 予想以上の拾い物であった。再現ドラマを交えてのバラエティ形式のドキュメンタリーというのが、民放ドキュメンタリーにもっとも適した手法なのかもしれない。浦賀奉行所与力、中島三郎助を軸にして描いた黒船来航と開国の経過を描写した作品。なぜ、いまこの時期にこういうドキュメンタリーがつくられ、放送されたのかがわからないが、これはよくできている。もっといい時間帯に放送して、多くの人に見せたかったね。もちろん、細かい問題はいくつかある。再現ドラマを現代とからめたたために、武士の妻のメンタリティが現代女性そのままになっているところとか、取材途中で出会った、どうでもいいおばちゃんを笑いをとるためにいじくっている部分とか(おもしろかったけど)。でも、それらはさほどの瑕疵にはなっていない。
 作中で、レポーター役の山本晋也監督が中島三郎助(役の人)に問う。
「あなたの情熱ってのは、いったいなんなんですか?」
 これに答える中島のせりふが、こうである。
「わたしはただ幕府のために……いや、自分のためかな。いえ、やっぱり幕府のためです。大きく言えば、それが日本という国のためであり、わたしの家族のためでもある。そういうことでしょう」
 そして、山本監督は「男の夢ですねえ」と感慨を漏らす。
 不思議なカットである。これこそ、まさしく日教組が、朝日新聞が、テレビ朝日が、もっとも憎み、排除しようとしてきた考え方ではないか。それが堂々と語られ、賛意を示される。思わず、フジテレビの番組じゃないかと錯覚しちまったぜ。どうせなら、テレビ朝日の報道局も、こういう路線に転向してくれないかな。そうすれば、日本はもう少しよくなるよ。

 2001/02/04 (Sun)

「BS朝日スペシャル 甦る白鳳大伽藍 薬師寺 千年建築に挑む」BS朝日 21時〜22時50分
 すっごくいい番組。どうせ、民放BSの作品と侮っていたけど、見ていて驚いた。取材が何年にもわたっている大ドキュメンタリーだ。編集もかなりいい。丁寧で、わかりやすくつくってある。これは地上波でも放送したんだろうか(あるいは、放送するのだろうか)。
 それはさておき、古代の職人の技術と素材を復元するのは、本当にむずかしい。樹齢千年の巨木1本を手に入れるだけでも大仕事である。台湾まで行って、調達したらしい。執念であるな。さらに、大工道具が要り、釘が要り、瓦が要る。もちろん、腕を磨いた宮大工も要る。西岡常一棟梁の遺産は、すさまじく大きい。できあがった建物ではなく、棟梁が遺した技術こそが世界遺産なのではないだろうか。これは受け継がれてさえいけば、間違いなく不滅の遺産となる。
 ところで、この番組だが、BS朝日で放送されるのは、これが最初ではない。何度も放送されている。しかし、マルチチャンネルの放送であったため、CATVの再送から外れ、単独放送になるまでわたしは見ることができなかった。見る機会ができたのは先日のことである。しかし、CATVのBS朝日チャンネルでその時間帯に放送されていたのは、BS-iのドラマであった。BS-iに替えてみると、ちゃんとそこでもその放送を流している。どういうことかと思い、調布CATVに電話してみたが、電話にでた人では何もわからないという。調布CATVは、社内にテレビ受像機を置いていないらしい(その電話にでた人は、近くにテレビがないとはっきり言っていた)。調べて翌日に電話しますということで、わたしは電話を切った。でも、翌日になっても電話はかかってこない。仕方がないので、夕方、こちらからかけた。返事は単純である。BS-iの番組を間違えて、BS朝日のチャンネルでも再送してしまっていたというのだ。よくもまあ、こんなミスをするものだね。
 というわけで、ようやく見ることができたのが、この2月4日である。が、わたし、この録画をしくじってしまった(途中、数分の欠落がある)。うう、もう1回、単独再放送をしてくれないかな。あ、地上波でもいいよ。

 2001/02/06 (Tue)

「地球少女アルジュナ」テレビ東京 毎週火曜日18時〜18時30分
 視聴中止。

 2001/02/09 (Fri)

「ドキュメント地球時間 タイタニック 極限の人間ドラマ」NHK教育 毎週金曜日22時〜22時45分
 映画「タイタニック」で船長を演じた俳優がホスト役をつとめ、沈没するタイタニック船上で、どのようなことがあったのかをレポートしたドキュメンタリー。1998年制作だから、ばりばりの新作というわけではない。船主がすげえ悪人に描かれている(最後にちょっとだけフォローがあったけど)。タイタニックは出港のときに、かなりあぶないニアミスがあったのね。映画では省かれていたなあ。こういう細かいところが興味深い。内容は、その多くが再現映像である。で、特撮がひじょうにちゃち。しかし、構成や演出がうまいから、けっこうどきどきしながら見られてしまう。惜しいのは45分という時間の短さかな。そのため、全体的に駆け足になってしまった。焦点は沈没後のいくつかのエピソードにあったみたいだが、視聴者としては、沈没するまでの船内での生活なども、もう少し丹念に描いてほしかったと思う。とはいえ、沈没後のエピソードはなかなかおもしろかった。こちらのほうが人間ドラマだったんだね。

 2001/02/10 (Sat)

「NHKスペシャル エネルギーシフト(1) 電力革命がはじまったヨーロッパ・市民の選択」NHK総合 21時〜21時50分
 2回シリーズでエネルギーを特集。1回目は風力を中心とした自然エネルギーの紹介(2回目は翌11日放送で「クルマが変わる世界が変わる」)。いいねえ。ヨーロッパやアメリカがこういう過剰な自然讃美妄想に取り憑かれている間に日本はどんどん原発を建てて、電気代をいまの10分の1、いや100分の1くらいにしてしまうべきである。かつて松下幸之助翁は、「電気(や電気製品)が安くなり、水道水並みになれば、人間の生活はもっと豊かになる」と喝破した。この原則は、いまでも変わっていない。電気は、まず安くすることが何よりも肝要である。そのための方策は(残念ではあるが)、現在、原子力発電所の増設以外にない。もう少しすれば、衛星軌道上の太陽光発電所、核融合発電所が地上に安価なエネルギーをレーザービームや電磁波で送信できるようになるかもしれないが、それはまだ夢物語である。大量の電力を安価に、かつ安定的に供給する。これこそが、いまもっとも求められていることだ。それをなおざりにすると、カリフォルニアのように、深刻な停電危機が起き、やがて、それが国家規模の経済危機へとつながっていく。21世紀、電気を確保したものが勝利者になることはほぼ間違いない。ひと月の電気代の目標は、使い放題に使って1世帯あたり200A契約で2000円、300Aで3000円、400Aで4000円。日本においては、ぜひこれを実現していただきたい。ブレーカー落ちを気にしてエアコンの数を制限したり、部屋から部屋へと移動するたびに、ちまちまあちこちの電気を消してまわるなんてのはもうごめんだ。60A契約なんてせこい数値にも、うんざりだ。わたしは、低料金の定額制を強く望んでいる。冷えきったトイレや風呂場で脳溢血を起こす前になんとかしてくれ。理想は家まるごと常時冷暖房だ。もちろん、テレビも照明もパソコンも24時間、365日つけっぱなし。これがまっとうな人間の生活というものである。
 にしても、湯水のごとく電気を使いまくっているテレビ局が、電気消費量削減を云々するなど、傍痛い。そういうことを言うのなら、まず隗よりはじめろよ。それが筋ってもんだろ。ま、減らせっこないことはわかっているけどね。

 2001/02/10 (Sat)

「ワールドドキュメント 法なきヨーロッパ〜国際犯罪に揺れるEU」NHK衛星第1 23時10分〜24時
 EU統合などといって国境の制限を撤廃しつつあるヨーロッパ。当然のこととして犯罪が広域化し、検挙がしにくくなる。しかし、EU加盟諸国の思惑などがあり、司法権力の統一化などがおこなわれる見通しはまったくない。つまり、マフィアなどの巨大犯罪組織はここ当分やりたい放題のままってわけね。この番組は、そういうどうしようもない状況に陥っているEUの現状を報告した、明るさに欠けるドキュメンタリーである。うーん。このままいったら、ヨーロッパ全体が犯罪の巣になってしまうんじゃないかな。イタリアなんかは、いまでもそうなのだが、これがヨーロッパすべてとなったら、相当にまずい。どこまで深刻になったら、EU加盟国はまじになるんだろう。現場の人(司法関係者)は強い危機感を持っているのに、それが国家の総意になっていかない。というか、政府が動いてくれない。とりあえず、ヨーロッパに住んでいなくてよかったなあ。あすは我が身なんだけど。

 2001/02/11 (Sun)

「奥の細道まわり旅〜芭蕉 心の出羽路旅」テレビ朝日 14時〜15時25分
 テレビで「奥の細道」といえば、NHK衛星第2で毎週日曜日に放送されている番組が、まず頭に浮かぶ。もちろん、わたしは最初から録画している(2回ほどしくじってるけど。まとめて再放送してくれないかな)。で、これは山形テレビの開局30周年記念番組。山形中心というのがいいね。月山、湯殿山あたりは「奥の細道」のクライマックスという感じがする。スキーをやっていたころは、いつも春スキートレーニングで、コーチとともに月山スキー場にこもっていたわたしとしては、よけいに感慨深い。山形を旅したことのない人、湯殿山は一度行ったほうがいいよ。あそこはすごい。お勧めの場所である。
 で、番組だが、芭蕉を軸とした観光宣伝コンテンツですな、これは。芭蕉をダシにしたといってもいい。テレ東がいつもやっている旅番組と内容に大差はない。でも、映像的にはいい絵がいくつかあった。とりあえず、それで十分である。それ以上の番組ではない。

 *再放送情報

「NHKスペシャル 激動 地中海世界(1)」2/19 NHK総合 24時15分〜25時5分
「NHKスペシャル 激動 地中海世界(2)」2/20 NHK総合 24時15分〜25時5分

 2001/02/11 (Sun)

「ドキュメント'01 多重人格の少女ヒロ」日本テレビ 毎週日曜日24時25分〜25時20分
 37人ぶんの人格を持っている多重人格少女の記録。前にも放送したんじゃないかな。もしかしたら、違う番組かもしれない。見た記憶はある。録画はしなかった。知能、味覚まで、その人格相当に変わってしまうところがすごいね。交替人格の名前、誰がつけるんだろう。一覧にはお耽美系のキャラみたいな名前が並んでいる。こういうところも、けっこうおもしろい。わたしが困っているスギ花粉症もそうなんだけど、当人や家族はすごくつらい思いをしているのに、まわりで見ているものにとっては、つい笑ってしまうことになる病気ってのがいくつかある。多重人格(解離性同一性障害)も、そのひとつって感じだ。そういう部分が、他の病気以上にマスコミや世間の興味を呼ぶことになるのだろう。これはもう、どうしようもないね。スギ花粉症のくしゃみ連発に関しては、わたしも諦めている。……と、そんなことを書こうかなと思いながら見ていたら、途中でそれどころではなくなってしまった。これはまじに深刻だよ。ヒロの妹も多重人格障害を起こし、ヒロ自身の人格も43人まで増殖して、家庭は崩壊寸前に至っていく。すさまじいとしか、言いようがない。で、ひどいなあと思っていたら、その混沌のまま、番組はすぱっと終わってしまった。「今後もこの状況がつづいていく」とか言って。おい。それはまずいよ。この家族。今後、どうなるんだろう。続報を待っている。

 2001/02/12 (Mon)

「TBS創立50周年記念企画 唐招提寺プロジェクト 遥かな日本へ…! 巨人・鑑真和上の足跡」TBSテレビ 14時〜15時54分
 唐招提寺金堂の改築がおこなわれている。TBSがそれに協賛しているので、こういう番組がつくられた。鑑真和上が日本にくるまでの過程を追ったドキュメンタリーである。しかし、こうやって、そのさまをひととおり見てみると、いくら航海に不慣れとはいえ、鑑真和上は風向きの悪い、海の荒れる季節を常に選んで渡航しようとしていたのね。誰か、いい季節を教えてやれよ。って、まあこれも天命か。遭難によるまわり道が各地に、ある種の文化をもたらしたりしている。また、その地の文物を日本に伝えたりもしている。遭難、座礁も含めたすべてが、鑑真和上の生きた意味そのものであったということであろう。番組構成は、思わせぶりの強さが少し鼻についた。民放ドキュメンタリーのいちばん悪いところだね。それさえ抑えていれば、いい作品であると、絶賛できたんだけどなあ。

 2001/02/12 (Mon)

「水の世紀が始まった」NHK総合 21時15分〜22時 23時〜23時50分
 第1部が「しのびよる地球の危機」、第2部が「危機をどうのり越えるか」。1時間の間を置いて2部構成で放送された。タイトルを見てわかるとおり、第1部で現状を報告し、第2部で、その対策を提示している。しかし、第2部で示された対策は、どう考えてもまるで対策になっていない。そもそも解答は第1部の冒頭ではっきりと表示されているのである。いまの地球の人口が60億、2025年が85億。このとき、人類は水の確保に関して深刻な状況に陥る。そういうことである。要するに、これも人口問題なのだ。わたしは「教養」でも、このことを目いっぱい強調してきた。いま人類が直面しているのは、水危機でも、エネルギー危機でも、食糧危機でもない。人口危機である。それだけだ。この番組でも、ゲストの石川好氏が、はっきりと口にされた。人口を減らす。根本的な対策は、これひとつだけである。では、どうすれば人口を減らせるのか、対策というのなら、その話をしなくてはならない。その方策を示さなくてはならない。わたしは、あらゆる機会にそのことを示している。どこでも、いつも書いている。「地球の外にでろ」と。なぜ、ほかの人は、これを言わないのだろう。わたしには、まったく理解できない。
 ところで、番組では四万十川の危機についても触れていた。木材価格の低迷で、間伐ができない。そのため川の上流の森林が荒れ、山が保水力を失い、川の水が汚染されはじめている。そういうレポートだ。丸太1本が250円。これでは、作業員の手間賃もでない。どうするのか? 常識的に考えた場合、頭に浮かぶ言葉は「ボランティア」である。労力にコストが見合わない作業がある。その作業は、しかし、人間の生活のために、ぜひともおこなわれなければならない。となれば、でてくるのは、コストを考慮にいれない労力、つまり、ボランティアの動員という発想である。これ以外に有効な打開策はない。日本語に訳せば「奉仕活動」だ。実際、これをやっている地域もあるらしい。休日のレクリエーションのひとつとして伐採をやってもらい、それを運びだしてもらう。コストの見合わない作業の娯楽化である。が、これを推進しようとすると、べつの問題がでてくる。「奉仕活動」という言葉だけに反撥を示し、「強制を伴なうすべての奉仕活動に反対する」と叫ぶ、過去を見ることしかできない、いまの状況をまったく配慮しない人たち、日本の将来をかけらも憂慮していない人たちの抵抗だ。「言葉」など、どうでもいいのである。重要なのは、それに付随する理念だ。目的だ。まず、その理念、目的が適切なものかどうかを議論しなくてはいけない。その上で、それを国策として推進するかどうかを決めればいい。そんな当り前のことすら思いあたらず、「言葉」のみに反対して、その意味を考えようともしない政治家が日本には存在している。そんなのは、もはや政治家ではない。ただの邪魔者である。選挙のときに排除するようにつとめよう。それが国民の義務である。

 2001/02/12 (Mon)

「知的探検SP II 時間の迷宮 第一夜 9秒の詩を書く男」フジテレビ 23時〜23時45分
 稲垣吾郎さんがナビゲータをつとめる「知的探検SP」シリーズのパート2。4夜連続で時間をテーマに放送される。第1回は、スポーツ選手と時間。すっきりと整理された構成は、中身をひじょうにわかりやすく見せる効果を持っている。けっして高度な内容ではないが、その親しみやすさは、この手の準バラエティ番組としては相当に高い。陸上短距離選手にとっての時間、サッカー選手にとっての時間などが、けっこういいリズムで紹介されていく。全4夜が終わったときに、あらためて評価を述べてみることにしよう。

 2001/02/14 (Wed)

「その時 歴史が動いた シリーズ二・二六事件(1) 謎の『大臣告示』」NHK総合 毎週水曜日21時15分〜21時58分
 発見された新資料に基づき、二・二六事件の経過を検証する2回シリーズ。北一輝の肉声が聴けるとは思わなかったなあ。こういうのがレコード盤の形で残っていたんだ。盗聴も、意外な遺産をもたらすんだね。これも、2回目が放送され、シリーズが完結した時点で、総合評価を書くことにしたい。

 2001/02/15 (Thu)

「知的探検SP II 時間の迷宮 第四夜 」フジテレビ 23時〜23時45分
 なるほど。これは時間をテーマにした雑学エッセイ集だったわけね。いくつか、むりやり時間に結びつけたものもあったけど、おおむねどれもおもしろくネタを料理できていた。こういう形式なら、エッセイとエッセイのつなぎを工夫する必要もない。項目ごとに、いきなりネタを展開していけばいいのだから。うまい手法である。つぎは何をテーマにしてくれるのだろう。楽しみにしている。

 2001/02/16 (Fri)

「ドキュメント地球時間 ブルナー・最後のナチス」NHK教育 毎週金曜日22時〜22時45分
 ナチス最後の大物戦犯、アロイス・ブルナーの記録。いまに至るも行方不明で、まだ指名手配中という。シリアにかくまわれていて、そこで、諜報機関の仕事に従事しているらしいが、シリア政府はそれを否定している。しかし、こういうレポートを見ると、いまでも多くの作家がスパイ、アクション小説のネタにナチス戦犯を使いたくなる気持ちがよくわかるね。その逃亡経路、方法、裏での活動がおもしろすぎるもん(イラクに原爆等の兵器を売った会社と関係していたりとか)。レポートは、ブルナーなどナチス戦犯がCIA要員となり、対露諜報活動をしていたことなどを紹介し、モサドとの攻防なども、ひととおり描いている。全体のトーンは、ひたすらブルナー憎しで貫かれているんだけど、そういう中にさりげなくブルナーの親族の談話を入れたりして、バランスをとろうとする演出もあったりする。このあたりは、ちょっとずるうまい。

 2001/02/17 (Sat)

「テレビ寺子屋 科学スペシャルII フロリダ 知られざる水の楽園」フジテレビ 14時35分〜15時50分
 アメリカの中のアフリカ、フロリダの紹介。大陸移動の際、アフリカの一部がアメリカ大陸にくっつき、半島になってしまったのがフロリダ。だから、フロリダにはアメリカとは異質の大地が存在している。って、それはまあ置いといて。おもしろかったのは、水門爆破のシーンである。フロリダ半島の真ん中に、でかい湖がある。そこがハリケーンなどによる大雨でしばしば氾濫するため、対策として水量調節のため、湖につながる川のあちこちに水門をつくった。ところが、それが裏目にでて、国立公園の湿地帯や、湖そのものの動植物に大きな影響がでてしまった。よくある話ね。どこかの国でも、同じような問題に直面していたりする。そこで、フロリダの当局は、何をしたか。水門のいくつかを爆破してしまったのである。それはもう豪快な大爆破。実に小気味のいい映像である。
 世間の人びとは、もしかしたら、わたしが開発ならなんでも歓迎する「自然どうでもいい派」の人だと思っているかもしれない。しかし、それはもちろん違う。わたしは、長良川の河口堰も、宍道湖の水門も、建設大反対である。有明海の干拓事業もやるべきではなかったと思っている。日本アルプスなんかの観光道路開発にも賛成していない。ただし、理由が多くの人とちょっと違っている。サツキマスやしじみ云々ということについてはどうでもいい。滅ぶ種は滅ぶのである。それが宿命だ。わたしが、反対する理由はただひとつ、無駄なことはするな。これである。計画を立てたときはいいアイデアであっても、後にそれが無用になるということはいくらでもある。そうなったら、その計画はすみやかに放棄し、それ以上の無駄を避ける。これはすべてのことにおいての鉄則だ。日本アルプスの観光道路も基本は同じね。人間が居住しない場所、つまり、非日常の場所に行くための道路なんて無駄である。非日常の場所に行くのは、娯楽なのだ。行くことそれ自体が選ばれた人の娯楽。だから、行けるものだけが行けばいい。そういうことである。むかし、わたしは行くことができた。でも、いまは行けない。それでもかまわない。代わりに行った人が映像を撮ってきて見せてくれる。わたしは、それをテレビで見る。体力が衰え、行く資格をなくした以上、その立場を甘受するのは当然のことである。涸沢に団地を築くのならいざ知らず、登山に自動車はないだろ、そりゃ無駄だよということだ。スーパー林道、みんな埋めちゃいなさい。勇気ある撤退を選択しなさい。
 話が大きくずれた。もとに戻そう。
 よかれと思って建設した水門が、実は厄介者であるとわかったフロリダ当局は、さっさとそれを爆破してしまった。すばらしい。無駄なことをしているとわかったら、即座になくしてしまう。そのためには、また多くの予算を費やすことになるが、長期的に見れば、その後にかぶさってくる負担に比べればはるかに小さい。そう判断したのだろう。インタビューに応じたフロリダ水道局の担当者が胸を張って言う。
「自分たちでつくった水門を、自分たちで壊す。これほど意義のある仕事はないと思うよ」
 そのとおりである。試行錯誤にためらいは要らない。やってしまったものが、責任を持って旧に復させる。これで、いいのだ。堂々とやれ。
 あと、1本の国道が動物の生息域を分断し、生態系を大きく崩してしまったエピソードも入っていた。こちらは、2か所ほど、道路の下にせこいトンネルをつくることで対処していたけど、どうせなら、道路をすべて高架にしたほうがいいんじゃないかな。水門爆破と比較して、ちょっとやり方が弱い。そのあとで紹介した、外来植物根絶のために地面を掘り、地下岩盤まで土を取り除いて(種子や根が残っている可能性があるので)生態系の復活をはかるという壮烈な方法を採る国なんだから、トンネル2本ってのは、少しだらしがないと思うよ。
 なお、最後に番組は、フロリダの居住人口が増え、それに伴う開発で淡水中の塩分濃度が上昇し、棲家を失いつつあったアメリカン・クロコダイルが、原子力発電所に付属している人工の冷却水貯蔵湖に居場所を移しつつあることを紹介していた。いや、クロコダイルだけではない。ほかにも多くの動植物が、この偶然生まれた「人間の姿がない」楽園に移住してきている。番組では、これを一種の皮肉のように伝えていたが、もちろん、それは誤っている。ここでも書いておこう。人間がいる場所に、他の生物が棲むことはできない。可能なのは、寄生虫と細菌等の微生物だけである。それ以外の生物は、すべて排除される。また環境全体においても、その共存率は大きく減じる。ゴキブリや蠅などは意図的な大量駆除の対象となっている。その状況にあって、人間の生活を支えている施設と人間以外の生物の共存が可能になる場所が存在した。というか、むしろ、かれらの生存により適した環境が提供されていた。これは皮肉でもなんでもない。重要な「自然現象」である。より快適な生存環境を求める(生物として当然の反応。これを失うと、その種は絶滅する)人間と、同じように、より快適な生存環境を欲する他の生き物との共生を考える意味で、これは象徴的な映像であった。

 2001/02/17 (Sat)

「WBA世界ライト級タイトルマッチ 畑山隆則 vs リック吉村」TBSテレビ 20時〜21時9分
 いやあ、先週放送された「はじめの一歩」を見ている気分になっちまったぜ。リック選手、うまいね。自分の間合いでぽんぽんと打っておいて、畑山選手が詰めてきたら、ひょいと左腕をその首にひっかける。ついでに体重もかける。典型的な負けないボクサーの戦法だ。肩の力を抜き、前ぶれなしでいきなりひょいひょいひょいとだしてくる軽いパンチも、ポイントを獲得するのに十分な効果を持っている。もちろん、わたしの好みではない。でも、否定はできない。これもボクシングである。畑山選手の価値は、こういうボクシングを力で一気に粉砕するところにある。それができなかった以上、この試合は畑山選手の負けね。結果はドローだったけど、それは3人のジャッジの採点基準がばらばらだったからで、点数に意味はない。そもそもリックの減点がなかったら、畑山選手は点数においても敗れていた。畑山選手自身もそのことはよく承知している。試合後の態度で、それがはっきりとわかる。リックのようなタイプの選手を世界チャンピオンにしないためにも、畑山選手には圧倒的な勝利を飾ってほしかった。徹底的に打ちのめしてほしかった。うーん、消化不良。

 2001/02/17 (Sat)

「NHKスペシャル 信長の夢 安土城発掘」NHK総合 21時〜21時50分
 今月、期待度いちばんの番組。予告だけでもわくわくさせるものがあったね。でもって、中身も期待を裏切らないすばらしいものであった。安土城の復元CG、めちゃいいっすよ。何が焼けたと聞いても、宿命宿命で片づけてきたけど、この安土城だけは、まじに惜しいと思う。本当に残念。この番組は何度も見たいなあ。もちろん、テープでの録画はしたけど、月末か来月頭あたりに再放送があるはずだから、それはデジタルで録画しておこう。この番組は、それだけの価値がある。

 2001/02/18 (Sun)

「知床・悠久の半島」テレビ朝日 14時〜15時25分
 知床半島を紹介する番組だけど、典型的な環境ビデオになっている。気を抜くと、眠ってしまったりするね。ナレーターの森繁久彌さん、声がかすれきっていて、ひどく聞きとりにくい。さすがに、もうこういう仕事は無理なんじゃないかな。ナレーションは視聴者に聞きとれなかったら、番組そのものがだめになってしまう。そのあたりのこと、プロデューサーにもきちんと考えてほしかった。

 2001/02/18 (Sun)

「ワールドドキュメンタリー 21世紀 進む米陸軍改革」NHK衛星第1 23時〜23時50分
 陸軍改革といっても、紹介されているのは、地上戦装備のごく一部だけ。 米陸軍の制式兵器であるM1戦車を、タイヤを使った装甲車に置き換えるかどうかという話題が中心の番組。とはいえ、重要なのは、なぜ置き換えなくてはいけないかという理由で、もちろん、その理由はきちんと描かれている。でも、わたしとしては、「世紀を越えて」の「戦争」で描かれた地上戦の未来のほうが、ずうっとレポートとしてすぐれていると感じた。
 ここで、話はちょっと跳ぶ。
「戦車は人殺しの道具だ」といった意味のせりふがでてくるアニメがあった。これは、いうまでもなく誤りである。 「戦車(を含めた、戦争で用いられるすべての武器)は、対抗戦力を除去するための道具だ」というのが正しい。 太古のむかしから、戦力は「戦闘員」と呼ばれる「人間」が主体となってつとめてきた。このことが、こういった誤解を生んだ。 「戦力の除去」イコール「戦闘員(人間)の掃討」となっていたからである。しかし、最近になって、この状況が大きく変わってきた。 極端な例を示そう。「STAR WARS EPISODE I」の戦闘シーンである。通商連合軍(映画の上での敵側)の戦力は、バトルドロイドと呼ばれるロボットたちだ。 この戦力をグンガン軍が取り除いていく。そういう戦争が展開される。この除去行為に戦車が用いられているところを想像していただきたい。 その情景は、明らかな戦争であり、かつ、戦車が敵戦力をつぶす有効な道具として使われているケースである。 しかし、そのときの戦車は「人殺し」などまったくしていない。いや、戦車だけでなく、すべての武器が「人殺し」には使われていない。 敵戦力(武装したロボット)の除去をおこなっているだけである。 前述のアニメのせりふは、眼前の現象にだけとらわれ、事象の本質を見誤って言葉にしてしまった好例だ。
 NHKの「世紀を越えて」は、戦争が「SW EP I」のそれの世界に近づきつつあることを示唆していた。戦力の除去に伴う人間の損耗がない戦争。 それが現実のものになってきていることを詳細にレポートしていた。 現在においては、米軍及びその同盟軍のみが、人的戦力を直接、戦場(の最前線)に投入しないですむようになってきているだけだが、 やがては、いずれの国の軍隊も、このようなシステムになっていくことであろう。 実際の話、いまでも「戦闘員」は国際法上では「人間」として扱われていない。ただの「戦力」である。 戦争は合法的であり、戦闘員と戦闘員が規定された武器によって戦う限りにおいては、殺害、傷害の罪を問われることはいっさいない。 だが、非戦闘員を戦闘員が意図的に殺害した場合は違う。国際法での違法行為となり、刑罰の対象となる。 非戦闘員の居住する都市への原爆投下や、首都への大空襲がそれにあたる (これが国際法廷での訴追を免れたのは、裁判をおこなったのが戦勝国だったからである。まさしく勝てば官軍の論理だ)。 イラクが、米国を中心とする連合軍の爆撃で民間人(非戦闘員)が犠牲になったといくら訴えても、国際的にさほどの同情を得られないのは、 この原則を脱しているからである。イラクは、軍事施設を取り巻く地域に非戦闘員を居住させて人間の楯をつくり、 かれらが戦闘時に容易に巻きこまれやすい状況を作為的に構築している。これは国際法を遵守させないようにする行為であり、 このことによって非戦闘員に被害が生じても、それは攻撃側による「意図的な殺害」とは認められないようになっている。 戦争が、戦闘員と戦闘員(及び、それらが用いる装備、施設)によっておこなわれる外交交渉のひとつとしての合法的な行為である以上、 非戦闘員を軍事施設から隔離しておくのは、その軍事施設を管理している者(政府)の義務である。 それを怠ったことで、非戦闘員に犠牲者がでても、それは怠った側の責任だ。攻撃側は関知しない。これが国際的な認識となっている。
 まずい。ちょっと跳ぶだけだった話が、めちゃくちゃワープしてしまった。引き返して、この番組のことを書き、まとめておこう。
 戦争に参加している人間が「戦闘員」である限り、かれらが戦車やライフルや地雷やミサイルで殺されたとしても、それは「人殺し」とはならない。 単なる戦力の消耗である。いま現在においても、それは同じだ。が、そうはいっても、死にいく戦闘員の親や恋人、友人にしてみれば、 かれらは、まぎれもなく人間である。それは、間違いなく「人」が「殺された」ということになる。 それに対して、「世紀を越えて」が見せようとしたのは、言葉や法律の上だけではなく、現実においても、 その実体が「戦力の除去による紛争の決着手段」になっていこうとしている未来の戦争だった。そこでは、たしかに生身の人間が死ななくなりつつある。
 そういう意味で、戦闘員を主体とした旧態依然の古典的な戦争形態を前提にしておこなわれている米軍の戦術転換の現況を 「21世紀 進む米陸軍改革」というタイトル(原題は「FUTURE OF WAR」)でレポートしたこの番組は、ほとんど未来を感じさせてくれない。 残念だが、このドキュメンタリーに関しては、未来の戦争は何も語られていないのである。 語られているのは、いまの米陸軍が抱く深刻な問題点だけであった。

 参考文献「国民のための戦争と平和の法」小室直樹・色摩力夫 共著。総合法令。ISBN4-89346-276-8


 2001/02/19 (Mon)

「グラップラー刃牙」テレビ東京 毎週月曜日25時45分〜26時15分
 これのどこが「喧嘩」なんだろう。戦ったふたり、目もえぐられていないし、睾丸もつぶれていない。結局、描かれたのは(暗黙の)ルールを持った、スポーツに近いスマートな格闘である。むかし、大山倍達総裁にインタビューしたとき、総裁は「喧嘩だったら、まず急所を狙う。眼球、金的は最優先」と言われていた。これは当然というか、常識である。この作品は、技も格闘シークエンスも、スポーツの範疇から一歩もでていない。これが作者の限界なのか、テレビの制約なのかは、現時点では不明である。いずれにせよ、「喧嘩」という言葉を使わなければ、このような疑問は抱かなかった。制作スタッフは、内容に見合った言葉を選んで、作品を構築しなければいけない。

 2001/02/21 (Wed)

「ギア戦士 電童」テレビ東京 毎週水曜日18時〜18時30分
 内容的にも、映像的にも、とくに評価するところのない作品になっているが、とりあえず「C-DRIVE」はかわいい。ほかに何もなくても、こういう一品で興味をつなぐという手段、作品の維持のためには、当然ありである。否定はしない。少なくとも、パンツだけよりは、工夫が要る。でも、この工夫を、もっと作品の質向上に使ってもいいんじゃないかとも思う。これをやりつづけると、小さなお友だちが離れてしまう可能性が高い。それはおもちゃの売れゆきにも影響し、やがては番組打ち切りにもつながっていく。そうなってしまったら、やけくそで「C-DRIVE」のプロモーションDVDというのをつくって販売してほしい。でたら、買ってしまいそうな気がする(こらこら)。

 2001/02/21 (Wed)

「その時 歴史が動いた シリーズ二・二六事件(2) 東京陸軍軍法会議〜もう一つの二・二六事件」NHK総合 毎週水曜日21時15分〜21時58分
 完結したら書くと述べたけど、こんな後編では、書くことがないなあ。二・二六事件は、国家運営の主導権を握ろうと目論む帝国陸軍首脳が理想主義に燃える青年将校を利用してその目的を果たしたという図式が一般的だけど、それが結果的にそうなったのか、あらかじめ描いた計画どおりに事が動いたのかが、判然としていない。こういう番組をつくるのなら、番組スタンスとして、まずそのことをはっきりしてほしかった。三島由紀夫は、純粋な魂を持った青年将校たちが、軍部にいいように操られ、捨てられたという意識をこめて諸作品を書きあげている。作家として、当然の姿勢だ。でも、現実がそれほどナイーブだとはとても思えないという印象もある。新資料を発見した上で制作されたドキュメンタリーは、そういった数々の主張に対して、なんらかの歴史的解答を与えてくれるものになっていなければならない。それが制作の意義というものだ。そのような意味で、このシリーズには大きな物足りなさが残ってしまった。これじゃ、匂坂春平主席検察官を軸としたプロジェクトXだよね。

 2001/02/24 (Sat)

「美を求めて!感動の旅 文化財と守る人たち〜文化財保護法50年」TBSテレビ 15時〜16時24分
 文化財を守りとおしてきた人びとに視点を置いたドキュメンタリー。なかなかいい切り口である。ナレーターが麦人さんなので、最初は「ハーメルンのヴァイオリン弾き」を思いだしちまったぜ。この人のナレーションの雰囲気、異様にミステリアスだなあ。
 で、ここでいう文化財が国宝だけではないのもいい。温泉旅館の古い建築物や宿場の町なみなどもその範疇に入れて紹介している。そのぶん、対象物が多くなり、ひとつひとつがやや駆け足になってしまった感もあるが、こういうコンセプトなのだから、これはやむをえないことであろう。日本の文化財なんでもカタログ。この番組に関しては、そう表現するのがいちばんマッチしているような気がする。

 2001/02/24 (Sat)

「NHKスペシャル 北朝鮮 白頭山(ペクトゥサン)〜知られざる“聖なる峰”」NHK総合 21時〜21時50分
 北朝鮮当局の許可を得て制作された白頭山紀行。当然、すべての映像、内容が、当局の検閲を受けている。にもかかわらず、この番組を見ていると、北朝鮮がどういう国なのかがはっきりと伝わってくる。取材班には、監視役の人間がふたり、同行する。食糧などの調達は、外貨ショップでおこなう。そこには、たしかにさまざまな商品が置かれている(ただし、すべて輸入品)。一般人の取材は、当局の許可がないとできない。その一般人が食べているのは、じゃがいもを素材にした献立だけ。麺もチヂミも焼酎も、すべてじゃがいもからつくる。白米や肉のスープは食卓に並ばない。
 北朝鮮は、いろいろなことを言って、自国に不満分子など存在しないなどと宣伝している。国民は指導者を敬愛し、国を栄えさせるため、必死になって艱難辛苦に耐えていると主張している。しかし、そういう言葉は、無意味である。百の言葉よりも、ひとつの実行だ。自国民の海外渡航を自由化すればいい。観光旅行者の行動を無制限にすればいい。メディアの取材も無制限にすればいい。近隣諸国のテレビやラジオの放送もまるごと国民の目に触れられるようにし、インターネットアクセスもいっさいの制限なしで可能になるようにすればいい。それができて、いまの体制を維持できるのなら、わたしは北朝鮮の言い分を認める。その主張に納得する。世界の一員になるなんて、簡単なことなのだ。いま設けている制約をちょいと外すだけで、すべてが片づく。それをやらずにあれこれ言っているから、誰も北朝鮮を信用しようとしないのである。言葉を捨て、すぐにやろう。いまやろう。がんばれ、北朝鮮。分断された国家が再統合される日のくることを、わたしは心から祈っている。
 でも、そうなると、白頭山の自然はどんどん荒れていってしまうんだろうな。このあたりは、ちょっと皮肉な話である。あの国の、あの状況が、あの自然を保たせている。景色の美しさは抜群だね。

 2001/02/25 (Sun)

「海を越えた少年たち〜エヴォラ屏風の謎とロマン」テレビ朝日 14時〜15時25分
 タイトルに偽りありというのが、最初に感じた印象。天正遣欧使節の足跡をたどるレポートで、その途中で立ち寄ったポルトガルのエヴォラに残されている、イエズス会が日本で描かせた南蛮屏風の下張りに、当時の書簡(要するに反故紙)が使われているというネタがタイトルの意味。でも、これは番組全体の一部でしかない。しかも、まだ調査中だから、謎もへったくれもない。こういうタイトルをつけるのなら、書簡すべてを解読し、それをひとつひとつ紹介してくれないとね。素直に「天正遣欧使節の旅」とでもしてくれていたら、とくに問題もなく納得できた内容である。ついでに、民放特有の、レポーター(歌手の杏里)による無意味な“あれこれちょっとだけ体験”をカットしていれば、もっとましな中身になっていたのではと思う。どうして、民放のプロデューサーやディレクターは、ああいう、どうでもいい寄り道がないと我慢できないのだろう。これこそが最大の謎である。

 2001/02/25 (Sun)

「オーロラの微笑み〜地球最北・炎と氷の国から」TBSテレビ 14時〜15時24分
 くそつまらない番組。オーロラの映像が好きなので見たんだけど、中身は評価対象になるようなものではない。タレントがさしたる意味もなくただ、アイスランドのあちこちを訪問するだけ。何もわざわざテレビを通じて自身の馬鹿や無知を世間に披露する必要もないと思うのだが、これも仕事だから、しょうがないか。アイスランドって、もっともっといろんな角度からおもしろく、かつ知的に紹介できる、魅力的な国なんだけどね。

 2001/02/25 (Sun)

「BS特集 IT革命の未来図〜アメリカ・ビジネスはこう変わる」NHK衛星第1 21時〜21時50分
 2000年10月15日に放送された番組の再放送。あれから4か月、このテーマをそれだけ時間をおいて見直してみると、すでに現実が様変わりしはじめていることに驚く。しかし、ここに描かれている当時の予測といま現在の実情を比較し、それをあらためて解析することで、今後への対処法も考えられるのではないだろうか。そういう意味で、少し時間を置いてから、IT関連番組を再放送するというのは、いいことかもしれない。番組に登場して、あれこれ語ってしまったアナリストや学者にとっては、ちょっと厳しい試練の場になってしまうが、それについては宿命と思い、諦めてもらおう。

*再放送情報

「NHKスペシャル 激動 地中海世界(3)」2/26 NHK総合 24時15分〜25時5分
「NHKスペシャル 激動 地中海世界(4)」2/27 NHK総合 24時15分〜25時5分
「BS朝日スペシャル 甦る白鳳大伽藍 薬師寺 千年建築に挑む」3/5 BS朝日 21時〜22時50分

 2001/02/26 (Mon)

「生きもの地球紀行 信州の山里 幻のスズメバチ驚異の乗っ取り作戦」NHK総合 毎週月曜日20時〜20時45分
 チャイロスズメバチというスズメバチがいる。キイロスズメバチやオオスズメバチはよく知られているが、このチャイロスズメバチは、生態などがほとんどわかっていないスズメバチであった。近年、その幻の生態が判明し、NHKの取材班が1年にわたって、このチャイロスズメバチの生活を追ってきた。実は、この番組、あまり見るつもりがなかったのだが、根が昆虫好きなので、ついチャンネルを 合わしてしまったのが運の尽き。そのままラストまで、まじまじと見てしまった。いやあ、おもしろい。チャイロスズメバチは、その名のとおり顔や胸が濃い茶色をしている。だが、もっとも特徴的なのは、真っ黒な腹だ。つまり、腹黒いスズメバチなのである(おいおい)。その女王は、最初の巣を自分でつくらない。モンスズメバチという木のうろに巣をつくるスズメバチの巣を乗っ取る。
 モンスズメバチの女王はひとりで巣をつくる。たいへんな作業だ。女王は巣を少しずつ大きくしていって、そこに卵を産む。卵は孵化し、幼虫になる。幼虫はさなぎへと変身する。さなぎからでてくるのは、働き蜂だ。働き蜂が産まれると、女王は巣づくりから解放され、ひたすら卵を産む産卵マシンとなる。巣の建設や孵化した幼虫やさなぎの世話は、すべて働き蜂がおこなうのである。チャイロスズメバチは、最初の卵の幼虫がさなぎから成虫になる直前にモンスズメバチのささやかな巣を襲う。そして、モンスズメバチの女王を殺し、その巣を奪いとる。そのすぐあとで、働き蜂がさなぎからでてくる。でてきたモンスズメバチの働き蜂は、そこにいるチャイロスズメバチの女王の匂いを嗅ぎ、彼女を自分の女王と思いこむ。その後は、もうチャイロスズメバチの女王のやりたい放題だ。女王は、モンスズメバチの働き蜂にかしずかれ、自分の卵をどんどん孵化させる。産まれてくるのは、チャイロスズメバチの働き蜂だ。モンスズメバチとチャイロスズメバチの働き蜂は共同で巣を大きくし、卵や幼虫の世話をする。2か月もすると、モンスズメバチの働き蜂は寿命を迎え、死んでいく。それ以降は、巣は完全にチャイロスズメバチのものとなる。
 最近になって、モンスズメバチの巣を見つけられなかったチャイロスズメバチが民家の軒下に巣をつくるキイロスズメバチの巣を乗っ取る例も多く見られるようになってきた。民家にあったチャイロスズメバチの巣をあけると、天井裏にキイロスズメバチの女王の屍体が落ちている。女王殺蜂事件である。なかなかに生々しい。この生態、本当におもしろすぎるよ。ハムレットみたいだね。先代女王が亡霊となって、自分の子供に仇討ちを頼んだりはしないけど。ま、頼んでもチャイロスズメバチに勝つのはむずかしい。チャイロスズメバチは毒針が長くて太く、黒い腹は厚い外骨格で強力に鎧われている。要するに、喧嘩に強い蜂なのだ。秋、食糧難に陥るオオスズメバチが他のスズメバチを襲う。キイロスズメバチは、まるで歯が立たない。あっという間に巣を破られ、全滅する。だが、チャイロスズメバチは違う。果敢に迎え撃ち、体長が倍近くもあるオオスズメバチを撃退する。人間も蜂も、きちんとした防衛体制の構築は、ひじょうに重要なのである。よく覚えておこう。

 付録。

 今期視聴アニメリスト。2001/2/28 現在
 月曜日 ベイブレード、テイルズ オブ エターニア、犬夜叉、名探偵コナン、グラップラー刃牙
 火曜日 最遊記、だあ!だあ!だあ!、機巧奇傳ヒヲウ戦記、地球防衛家族、遊戯王、はじめの一歩
 水曜日 ギア戦士電童、破壊魔定光、ONE PIECE
 木曜日 ポケモン
 金曜日 メダロット魂、Sci-Fi HARRY、勝負師伝説哲也
 土曜日 真・女神転生デビチル、無敵王トライゼノン、ゾイド新世紀/ゼロ、ハンター×ハンター
 日曜日 も〜っと!おジャ魔女どれみ、学校の怪談

 おまけ。

 個人的におもしろく見ているTVアニメBEST3。
 1.はじめの一歩 2.犬夜叉 3.ハンター×ハンター
 映像作品として高く評価しているTVアニメ。
 なし。

TOP
HOME
BACK NUMBER