『不定期写真日記』バックナンバー

平成13年4月〜6月分

これまでに掲載した写真日記の一部をバックナンバーとして再掲載しておくことにしました。
賞味期限の切れていないネタと店の紹介だけをチョイスしてあります。
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 4月1日、野川の夜桜ライトアップ

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     我が家の近所にCM撮影用の照明機材をリースする会社がある。その会社が10年にわたって、野川の夜桜をライトアップしている。今年は、3月31日におこなわれる予定であった。しかし、31日は雪が降るという悪天候で中止、4月1日に延期された。というわけで、午後7時過ぎにぶらりと野川まででかけてみた。といっても、100メートルほど移動するだけである。
 行くと、もう野川沿いの遊歩道には見物客がぎっしりと押しかけてきている。とにかくきれいの一言。カメラがカメラなので、写真ではその雰囲気がぜんぜん伝えられない。もっとずうっと明るく感じる。なんといっても、ライティングしているのは、その道のプロである。照明用の専門機材が、ほぼ満開になった桜の巨木と花を650メートルほども照らしだしている。ビールを片手にあたりをぐるりとまわり、存分に夜桜を堪能して、自宅に戻った。夜はスギ花粉も少ないし、花見は夜桜に限るよ。来年は、外で宴会がしたいな。

 4月12日、小松さんと蛮ちゃん

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 ちょっとしたいきさつがあって、小松左京さんのもとを一本木蛮ちゃんが訪れた。小松さん、一時期に比べると、ずいぶん体調が回復された。まもなく第2巻のでる「小松左京マガジン」も好評を博しており、めでたい限りである。これで「教養」がもっと売れてくれれば、何もいうことなしになる。時間が経ってしまったため、書店に置かれていないかもしれないが、注文すればもちろん入手できるし、ネット書店でも購入可能だ。あらためて、ここでお願いしておく。よろしくぅ。って、これじゃ日記にならないな。

 6月7日、「手塚治虫文化賞マンガ大賞」受賞記念祝賀会二次会。

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 大賞を受賞したのは、岡野玲子さんの作品「陰陽師」。原作は夢枕獏さん。わたしは、そのつど作家がストーリーを書いて渡している原作作品と、書籍出版された小説を漫画化した作品とをはっきり分けて扱っている。前者の作品が賞を獲得した場合、それは、漫画家と原作者の共同受賞となる。しかし、後者のケースでは、その授賞者は漫画家おひとりのみである。映画のことを考えていただきたい。黒澤明作品である「羅生門」がベネチアで金獅子賞を受賞したとして、その栄誉は芥川龍之介にも分け与えられるものであろうか。そういうことはない。映像作品は監督のものである。それは、監督個人の作品となる。これは漫画も同じだ。この受賞は、すべて岡野さんの力によるものである。「陰陽師」は岡野さんのつくられた漫画作品として高く評価された。おめでとう。岡野玲子さん。
 で、今回の写真である。1枚はいしかわじゅん選考委員。正ちゃんという猫を飼っている。「Takachiho Notesに掲載されたふうちゃんの写真を見た。うちの正ちゃんのほうがかわいい」と言われた。納得できない。聞くところによると、正ちゃんは痩せこけた猫であるという。うちのふうちゃんはぽってりとからだが丸く、おなかのあたりがぷよぷよ、ぷるぷるとしていて、実にもう愛らしい。当然のこととして、ふうちゃんが正ちゃんに負けるなんてことは、ありえない。きっぱりと書いておこう。
 写真の2枚目は、青池保子さんとささやななえこさん。いまや巨匠のおふたりである。いろいろ、おもしろい話をうかがった。ささやさんは長い風邪からようやく回復されたばかりとか。お酒がおいしいと喜んでおられた。お酒がおいしいのは健康の証拠である。わたしは、ちょっと不調で、朝からトラブルが多く、ビールがあまりおいしく感じられなかった。でもって、そのためか、帰りの電車の中に傘を忘れてきてしまった。10年以上も愛用している傘だ。幸い高幡不動駅で見つかったらしいので、後日、取りにいくことになった。トホホ。

 6月8日、高幡不動に傘を取りにいく。

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 失敗は、即座になかったことにしようというわけで、きのうのきょうだが、京王線の高幡不動駅まで傘を受け取りにいった。しかし、ただ傘を引き取るというだけで外出するのもしゃくである。そこで、災除けも兼ねて、高幡不動を参詣してきた。重要文化財指定されている仁王門をくぐり、境内に入る。すると、最初に目に映るのが五重塔だ。露出を調整しないで撮影したため、もろに真っ黒になった。ま、素人写真である。見逃してほしい。

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 境内では紫陽花が目立っていた。掲示板を見ると、6月9日から「あじさい祭開催」と書いてある。しまった。1日早かったぜ。って、べつにふつうに咲いているからいいか。しばし紫陽花を楽しんだあとで、宝物展示を見ることにする。入場料は300円。けっこうおもしろい。仏像や仏具だけでなく、新撰組の土方歳三の手紙や勝海舟、山岡鉄舟、榎本武揚、山懸有朋の書なども展示されている。掛軸も多い。川鍋暁斎の掛軸のとなりが阪本雅城(タンクタンクローの作者)の軸というのには、ちょっと笑ってしまった。阪本雅城は多摩の出で高幡不動に縁があり、掛軸を奉納したらしい。いろいろと勉強になった。帰りは、門前の饅頭屋で名物の高幡饅頭を買い、帰宅。電車賃は片道190円。新宿へでるよりも安いのに、なぜか旅行気分になる。温泉があったら、1泊くらいしてもいいなあ。

 6月28日、日本推理作家協会賞授賞式。

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 わたしは日本推理作家協会に属していないので、この賞の授賞式に呼ばれたことは過去に一度もない。が、今回は受賞されたのが菅浩江さんということで、案内状が届いた。菅ちゃんの受賞となれば、行かないわけにはいかない。しかし、家をでようとするとき、家内に呼び止められた。「鞄を忘れている」という。おお、いけない。傘や筆記用具など、外出七つ道具を納めた鞄を持たずにでかけたら、外で必ず困ったことになる。あわてて鞄をつかみ、靴を履こうとしたら、「もう、ほかに忘れ物はないでしょうね」と念を押された。「大丈夫。全部持った」と胸を張り、出発した。が、新宿に着いたときに気がついた。案内状を持っていない。デスクの上に置き忘れてきた。うーむ、わたしはどこへ行けばいいんだろう? というわけで、家に電話して会場を訊いた。新橋の第一ホテルである。やれやれ。脳ドックに入り、脳の精密検査をしたほうがよさそうである。たしかに、最近は物忘れがひどいんだよね。人の名前も顔も思いだせない。ときおり、食事したかどうかも忘れることがある。原稿の締切も……あ、これはむかしからか。
 とにかく、いろいろあったが、無事に新橋に到着した。菅ちゃんのご主人(GAINAXの武田さん)が愛娘の悠乃ちゃん(98年7月15日生まれ。もうすぐ3歳)を連れて会場の前にいる。悠乃ちゃんに「こんにちは」と声をかけたら、悠乃ちゃん、いきなり両手を胸の上に置き、身をよじりながら「さわって、さわって」と言う。思わず、武田さんに「どういう教育をされているんですか?」と尋ねてしまった。どうも、新しい服をみんなに褒められ、うれしくなって服をさわってもらいたがっているらしいことが判明、ほっとした。武田さんは前にも「のーてんき」ネタを悠乃ちゃんに伝授していたので、油断がならない。菅ちゃんも、さだめし頭が痛いことであろう。
 で、写真だが、1枚は言うまでもなく、この日のヒロイン、菅浩江さんである。この受賞は、実にめでたい。筆力も才能もある人がきちんと評価されるのは、本当によいことだ。2枚目の写真は、山田正紀さん。いまやSF界の巨匠である。こちらは二次会の会場で撮影した。いまどきVサインはどうかと思うが、巨匠には畏れ多くて、とてもそんなことは言えない。黙しておこう。

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