月刊ASCIIで「高千穂遙の大混戦 かかってきなさい!」というエッセイを連載しています。もうかなり永くやっている連載です。そこに書いているエピソードの落ち穂拾いをしようというのが、このコーナーです。ASCIIは月刊誌ですから、原稿を入れてから掲載され、発売されるまでに少しタイムラグが生じます。そのため、タイムリーなネタというのが使えません。けっこうおもしろいけど、やむなく捨てるというエピソードがときどきでてきます。そういうネタを救済しようというのが、このコーナーの趣旨です。そのほか、雑誌に書くのはちょっとというトホホネタもまぜていく予定です。予定だけかもしれませんが。
Vol.13「2001年宇宙の旅」にまつわる嘘情報。
名古屋へ行ったとき、ホテルが客室に入れていたのは、ふだんわたしが読んでいない讀売新聞でした。1月8日付けの朝刊です。一読してびっくり。社説に堂々と大嘘を掲載しています。当該部分を引用してみましょう。
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映画「2001年宇宙の旅」(一九六八年公開)には「ハル」(HAL)という名前のコンピューターが出てきた。感情と意思を持ち、宇宙船の運行を制御するだけでは飽き足らず、やがて人間の支配をも企てるようになる。
アルファベットの配列を一文字ずつ後ろにずらすと、「HAL」は「IBM」に変わる。IBMに象徴されるコンピューター支配社会への警告が込められていたという。
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爆笑するしかないひどさですね。SFに親しんでいる人ならば、讀売新聞社説の杜撰さにあいた口がふさがらない状態に陥られたのではないでしょうか。なによりもまず、HAL9000がなぜディスカバリー号の乗員を殺すに至ったかのいきさつをまったく理解していません。いや、理解どころか、「宇宙船の運行を制御するだけでは飽き足らず、やがて人間の支配をも企てるようになる」と勝手にストーリーをつくり変えてしまっています(そもそも、乗員を皆殺しにするのが、どうして「支配」なんだろう?)。これに関してはいろいろすごい文章や記事を見てきたのですが、今回はその中でも、トップクラスのおもしろさです。
そして、それにつづくのが、お決まりの「HAL→IBM」説です。この有名な大嘘にまんまとはまりきっています。筑波大学教授の星野力さんが「ロボットにつけるクスリ(アスキー出版局刊)」において、「この映画にでてくるコンピュータHAL9000(Heuristically-programmed ALgorithmic computerの略。発見的計算手法によるコンピュータ、とでも訳しておく)は、IBMの各文字を一文字ずつ前へずらしたという俗説が流れているが、事実は違う。(中略)ウソだと思うのなら、デイヴィッド・G・ストーク編『HAL伝説--2001年コンピュータの夢と現実』(早川書房、1997)を読んでみなさい」と懇切丁寧に書かれていても、まったくのおかまいなしです。何も調べず、何も確認もせず、ただ思いこみだけで、平然と虚報を社説として掲げています。これはつまり、讀売新聞が「記事を掲載することについて当新聞社は何ひとつ事実確認などしない。われわれがそう思っていることだけが真実なのだ」と宣言しているようなものです。なんせ「社説」なんですから。社の説! すごいです。驚いちゃいます。讀売新聞の記事って、こういう方針でつくられていたんですね。
もっとも、「HAL→IBM」説の虚報流布に関しては、産經新聞も同じことをやっています。2000年12月18日の夕刊に掲載された「映画『2001年宇宙の旅』 登場人物は私たち 『未来の世界』次々現実に」という記事です。これも、その部分を引用しておきましょう。
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◆コンピューター
〈木星探査に向かう宇宙船ディスカバリー号は乗組員に加え、コンピューター「HAL9000」を搭載。考え、話すことができるHALは船内環境を管理した〉
映画では、HALは一九九二年一月十二日に完成。その名は、米コンピューター会社「IBM」のつづりの、それぞれ一つ前のアルファベットから付けられたことは有名だ。
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何が有名なんです? 産經は南京大虐殺の偽写真や偽数字など、検証もされないままに流布されている嘘情報を排除する活動に力を入れている新聞社です。そこが、こういうあからさまな虚報・俗説を、さも事実であるかのように書き散らしていたのでは、何をか言わんやになってしまいます。みっともないったら、ありゃしません。これ、すぐに読者から抗議がきて訂正が載るだろうと思っていたのですが、きょう(2001年1月10日)になっても、訂正記事はでていません。困ったものです。いまからでも遅くはないので、産經は訂正を載せるべきです。こういうことに関しては、御社の言われるとおりなんですよ。無責任に流されている虚報・誤報。偽情報はすみやかにただされなくてはいけないのです。そうでしょ? あ、讀売も同じですよ。「過ちては即ち改むるに憚ること勿れ」という言葉もあります。さっさと訂正して、謝罪してください。でないと、さらに虚報が世間に広がっていってしまいます。いちばん大きな問題は、これでしょう。
Vol.14 McAfee VirusScanの最新バージョンが動かない。
今年の頭、日本ネットワークアソシエイツ株式会社から、McAfee VirusScan5.1.3aの優待キャンペーンの案内が届いた。いま使っているVirusScanは4.0.3a(スキャンエンジン:4.0.70、定義ファイル:4.0.4127)である。ウイルス対策ソフトは、常に最新バージョンを使えというセオリーがあるので、さっそく申し込み、購入した。でもって、それが3月9日(金曜日)に届いた。しかし、何かいやな予感がする。何回も痛い目に遭ってきたトホホユーザーの直感が、アラームを鳴らしている。そこで、翌土曜日、いったんHD革命で完全バックアップをとってから、5.1.3aをインストールすることにした。HD革命のバックアップ、時間がかかるのよ。高速モードでやっても90分近くがつぶれてしまう。なかなか気軽にできない。なんとかしてくれないかなあ。
という愚痴はべつとして、バックアップ作業は無事にすみ、VirusScan5.1.3aのインストールに取りかかった。まず4.0.3aのアンインストールである。アンインストーラを使うのだが、わたしは、それだけではすまさない。アンインストール後に、削除されず残っていたフォルダを始末し、レジストリの中も確認する。残骸がいすわっていることが多いからだ。それをしてから、マシンをリセット。これで事前作業完了である。
5.1.3aはカスタムセットアップでインストールした。これは4.0.3aも同じである。ウイルス対策ソフトの常駐は、思わぬトラブルを招く。メールやダウンロード監視機能は、インターネットアクセス速度の低下原因となったりする。だから、わたしは絶対に常駐させない。ウイルスチェックは、必ず手動でそのつどやる。VirusScanにはVSCファイルというのがある。これにウイルスチェックの設定が記録されるので、わたしは、このファイルのショートカットを用意し、それをWクリックすることでウイルスチェックをおこなっている。
5.1.3aで入れたのは、以下の機能である。McAfee ウィルススキャンセントラル
スキャン32(シェルの拡張、スケジューラ、ログサービスのアクティビティは排除)
エマージェンシーディスクユーティリティ
3つしかない。あとは要らない機能ばかりである。たぶん、エマージェンシーディスクユーティリティも不用なんじゃないかな。でも、これは入れた。 インストールは正常に終了し、リセットするようインストーラにうながされた。指示に従い、Windowsを再起動。デスクトップに、新しいVirusScanのアイコンができている。VsMain.exe を起動し、「McAfee ウイルススキャン セントラル」という画面を呼びだすためのショートカットである。これをWクリックした。すると、「VsUi50.dll をロードできません」というエラーダイアログがあらわれた。ぐわわ。まずい。そのダイアログの「OK」をクリックすると、「メインページをロードできません」と表示され、終了してしまう。ぐわわ。やばい。いやな予感が的中した。
起動方法を変えてみる。スタートからMENUをたどっての起動だ。が、結果は同じ。そこで、今度はVsMain.exeをファイラ上で直接、Wクリックしてみる。やはり、だめ。起動できない。同じエラーダイアログが出現する。ためしに、Default.vsc、 Scan_c.vscもWクリックしてみた。しかし、何も起動しない。FileVisor上でやると、ファイルビューアが起動する。これはつまり、関連付けがされていないってことね。これも、すごくへん。
ひととおり試してみて、すべてだめということがわかった。まったく起動させられない。ほかにやることがないので、5.1.3aをアンインストールし、再度インストールしてみた。でも、結果に変化なし。同じことになる。
エラーのでる「VsUi50.dll」だが、これはもちろん、インストールされたフォルダの中にちゃんと存在している。おもしろいのは、起動に使われるVsMain.exeとVsUi50.dllのタイムスタンプだ。このふたつのファイル、他のファイルとタイムスタンプが異なっているのである。ファイル一覧の一部を掲載してみよう。
2000/12/01 00:00:00 URLRUN.EXE
問題の2つのファイルだけ、すごく中途半端な数字が入っている。この現象、リリース直前にバグFIXしたときに起きることが多い。そして、そういうときはエンバグが起きる確率が高くなる(某ソフトハウスのプログラマ談)。ま、これがそうだとは言わないけど、このタイムスタンプは、どう見てもへんだよね。5.1.3aというバージョンの「a」の理由がほの見えていたりする。
2000/12/01 00:00:00 URLRUN.INI
2000/12/01 00:00:00 VSC.LM
2000/12/01 00:00:00 VSCAN4.CNT
2000/12/01 00:00:00 VSCAN4.HLP
2000/12/01 00:00:00 VSCLM.INI
2000/12/01 00:00:00 VSHCTRL.DLL
2000/12/13 10:22:26 VSMAIN.EXE
2000/12/01 00:00:00 VSPLUGIN.DLL
2000/12/13 10:29:24 VSUI50.DLL
当たってほしくない予感が当たってしまったので、どうするか考えてみた。通常は、このままサポートに電話するのだが、インストール作業をしたのは土曜日である。月曜日までサポートは閉まっている。それまで、この怪しい状態にマシンを留めておくことはできない。仕方がないので、HD革命のバックアップファイルを使い、環境をもとに戻すことにした。これがまた時間がかかるのよ。便利だけど、面倒。やれやれである。
復旧させ、月曜日を待った。
で、先ほど(3月12日の午前11時くらいかな)サポートに電話した。ものすごく混雑しているサポートである。得意の連続リダイヤルでつながっても、それからの待ち時間が長い。サポートに接続されるまで、えんえんと待たされる(むろん、コレクトコールではない)。
つながったところで、事情を説明する。サポートの人、何か話すたびに「ちょっとお待ちください」と言って、どこかに相談に行く。こういう場合は、即座に答えられる人に最初から代わってほしいなあ。
やりとりがいろいろとあって、だされた結論が「原因不明」である。調べたいので、5.1.3aをアンインストールした直後のレジストリをまるごと送ってもらえないかと言われた。そんなものはない。つくるとしたら、また5.1.3aをインストールし、まずい環境を再構築しなくてはならない。そんなの、いちいちやってられないよ。1日が、それだけでつぶれてしまう。それと、レジストリをまるごと送れというのはむちゃである。レジストリには、重要な個人情報が記載されている。それをほいほいと他人に渡せるわけがない(しかも、電子メールで)。こういう常識が、ネットワークアソシエイツにはないのだろうか。
結局、いま現在(4.0.3aの入っている状態)のMcAfee関連部分レジストリだけを送付するということになった。これは、簡単である。ついさっき、それをおこなった。いまは、サポートからの返答待ちというところだ。さて、どのようなことになるのだろう。それについてのレポートは、また後日ということになる。だめだったら、ソフトそのものをシマンテックあたりのやつに変更しようかな。問題は、インストール段階で常駐関連機能を殺せるかどうかである(できれば、インストールすらしたくない)。そのあたりの情報を、さっそく集めることにする。
to be continued
Vol.15 McAfee VirusScanのその後と、メルコのMCR-U。
「つづく」と書いてしまったMcAfee VirusScanのトラブルだが、実はまだ何も進展していない。ここに書いたことによって、読者の方から反応があり、現象が再現したという報告もいただいた。ところが、肝腎の日本ネットワークアソシエイツ株式会社では、それが再現しないという。なぜかはぜんぜんわからない。でもって、そうこうするうちに、連絡もまったくこなくなってしまった。こりゃあ、やっぱり乗り換えかな。
ということで、いくつかの市販ソフトをあたってみたが、まずいことに、どれもわたしの用途に合致しない。みな、なんらかの機能が常駐してしまうのである。サポートに電話しても「その機能を外すことはできません」といった返事ばかりが返ってくる。どうして、そういう造りになってしまうんだろう。もっとシンプルな使い方が選べるようにしてくれてもいいじゃないか。こうやって考えてみると、VirusScan 4.0.3aはすごくすぐれたソフトだったんなんだなあと思ってしまう。よけいなところをいじらず、このまま、能力だけバージョンアップしてくれていたら、何も問題なかったのだ。残念でならない。
途方に暮れていたら、あるBBSで外国製のフリーソフトが紹介されているのを見つけた。英語ソフトだが、日本語環境でもちゃんと動くという。機能も、かなりシンプルらしい。で、そのソフトのことをちょうどウイルスチェックソフトが話題になっている「旭日工房」で書いてみた。すると、さっそく何人かの方がそれを導入され、レポートを入れてくれた。このレポートがすごくよくて、そのソフトが、かなりわたしの希望に近い仕様になっていることがはっきりとわかった。ナイスである。いま現在、まだVirusScan 4.0.3aのサポートが終了していないので、すぐにというわけではないが、これで乗り換えの見通しは一応ついた。とりあえず、この件については、落ち着き先がでてきたといえるだろう。ああ、よかった。てなわけで、つぎはメルコのMCR-Uである。コンパクトフラッシュとスマートメディアのカードリーダーだ。これについては、ASCIIの2000年12月号の「かかってきなさい」で、ちょっとしたトラブル報告を書いた。これは本当に些細な問題で、実用上の不具合はでていない。MCR-Uをわたしはすごく重宝して使っている。そういうところへ、いよいよ128メガのスマートメディアが発売された。この128メガのスマートメディアに対して、MCR-Uのマニュアルにはつぎのように記されている。
使用可能容量 スマートメディア 128MBまで(15頁)
また、添付されているぺら紙にも、こんなことが書かれていた。
制限事項 本製品をご使用になるばあい、スマートメディアの容量によって以下の制限事項があります。あらかじめご了承ください。
128MBのスマートメディア
1999年10月現在のところ、発売されていないため確認できておりません。128MBのスマートメディアが発表されしだい動作確認を行い、弊社インターネットホームページでお知らせします。さっそくホームページを見てみたのが、どこにも告知がなされていない。そこで、メルコのサポートに電話した。その回答は、
「マニュアルの記述が誤りでした。MCR-Uは128MBのスマートメディアに対応していません。対応ドライバが公開される予定もありません」
というものだった。
おいおいおいである。いまさら「マニュアルの誤記」はないよねえ。堂々とマニュアルに書いてしまった以上、もうちょっとなんとかしてほしかったなあ。こういうことしていると、つぎもメルコの機器にしようなんて、誰も思わなくなってしまうよ。少なくとも、わたしは思わなくなった。MCR-Uを気に入っているだけに、ひじょうに惜しい話である。そして、これも、何か対策を練らなくてはいけなくなってしまった。どうしよう?
Vol.16 マイラインで大迷惑。
マイラインサービスがはじまるというので、いろいろと調べて、登録会社の選択をおこないました。
選ぶポイントは、うちの電話利用傾向に合ったサービス、料金大系になっているかどうかです。
その結果、決定したのが、市内通話と同一県内の市外通話が「NTT東日本」
県外への通話が「フュージョン・コミュニケーションズ」という組み合わせでした。
「マイラインプラス」
3つとも
での登録です。
国際通話は登録しません。いまの家に越してきてから18年。自宅から国際電話をかけたことは一度もありません。
となれば、今後もかけることも皆無でしょう。たぶん。
申し込んだのは3月22日でした。サービス開始は5月1日です。しかし、ご存じのように、
マイラインサービスの受付は登録作業が破綻してしまいました。
ぜんぜん登録が進んでいません。案の定、この時期の申し込みでは、サービス開始日までに登録が不可能ということになりました。
その通知が、葉書で届いたのが4月の末です。マイラインの利用開始日については、
「およそ5月上旬頃」
になると書いてあります。破綻しているものをぶつくさ言ってもしかたがないので、やむなく待つことにしました。
葉書には、
「マイライン登録内容のご案内」を登録完了次第、送る。
とも記されています。でも、その「ご案内」が、なかなか届きません。そうこうするうちに5月15日になりました。
上旬というのは、
「1日から10日まで」
ですから、とっくに登録予定日が過ぎています。登録されないと、すごく困ります。
わたしはNTT東日本のサポートに相談して、「スーパーケンタくん」を申し込むことにしていました。
このサービスは、
「同一県内の市外通話」が「マイラインプラス」になっているとき、割引率が最大になります。
だから、登録が完了していないと、切り換えができません。
そこで、15日にマイラインセンターに電話してみました。
センターの担当者が言います。
「登録完了しています。市内通話がNTT東日本のマイラインプラス、同一県内市外通話がNTT東日本のマイライン、市外通話がフュージョンのマイラインプラス……」
おいおいおい。
「ちょっと待ってよ」
通知がないままの登録完了もさることながら、それでは申し込みと内容が違っています。そんな登録内容ではスーパーケンタくんの申し込みができません。
すぐに、
「それは、わたしの申し込み内容と違う」
と伝えました。が、マイラインセンターでは、それが確認できません。
申し込みはフュージョン経由なので、どこでミスが生じたのかについては、
「まずフュージョンで調べてもらいたい」
と言うのです。
というわけで、今度はフュージョンに電話をしました。
調査はあっという間に完了です。わたしの申し込み書類を見るだけですから、当然でしょう。
フュージョンの入力ミスでした。
フュージョンがわたしの申し込み書類を写し間違え、マイラインセンターに誤った申請をだしてしまっていたのです。
実にもう迷惑な話じゃないですか。
フュージョンは謝罪し、
「すぐに再申請をだす」
と言いました。
でも、マイラインの登録業務は破綻しているのです。これから再申請をだしてやり直すとなると、いまでさえ15日遅れているのが、
さらにえんえんと遅れることになってしまいます。
それは本当に困るので、わたしは、
「フュージョンとして、マイライン登録再申請の登録を最優先で受けつけてもらえるよう、マイラインセンターに依頼できないのか」
と尋ねました。フュージョンの人、
「通常だと再申請登録に、あとひと月半はかかる」
と言うんですよ。そんなの、とても納得できません。
これは、完全にフュージョン側のミスです。
アメリカなら、訴訟を起こして1万ドルくらいは賠償金がとれそうなケースです。
結局、フュージョン側が
「2週間以内に登録を完了するようマイラインセンターに要請する」
ということで、話がまとまりました。
予定よりもひと月遅れになりますが、わたしは根が寛容なので(異議ありの声、多数。無視する)、この条件で矛を納めることにしました。
しかし、
2週間後、つまり5月末に登録が完了していなかったら、事情は変わります。
わたし、あらためて対処を考えます。
そのことについては、またここでお知らせしましょう。しばらくお待ちください。
Vol.17 著作権法第42条
5月15日の国会、なかなかおもしろかったですねえ。衆議院予算委員会で日本共産党の穀田国対委員長が、テレビを録画したビデオテープを振りかざし、塩川財務大臣を舌鋒鋭く追いつめています。わたし、そのビデオは
公式な記者会見の放送を録画したものかと思っていました。
ところが、17日に放送されていた「ザ・ワイド」を見ていたら、それは、
「ザ・ワイドで放送されたインタビューを録画したものである」
なんてことをキャスターが言っているではありませんか。
あら、びっくりです。
頭の中に著作権法の規定が浮かびました。知ってのとおり、すべてのビデオテープには、多少表現が異なっていたりするものの、必ずこのように書かれた紙が入っています。
「あなたがテレビ放送や録画物などから録画したものは、個人として楽しむなどのほかは、著作権上、権利者に無断で使用できません」
TDK 8mmビデオテープ MP120 添付注意書より引用。
国会議員は、この制限から除外されているのでしょうか? このことについて、わたしは「ザ・ワイド」側から何か説明があるのかと思って見ていましたが、それについては、まったく触れられないまま、番組はつぎの話題に移ってしまいました。
うーん、どうなのかなあ? 疑問をおぼえたら、すぐに追求をはじめるのが、わたしの性分です。小松左京さんから、この姿勢を学びました。
さっそく日本テレビに電話します。
「これは著作権法上の規定外のことなのか」
と、尋ねました。もちろん、わたしは高千穂遙という名前を告げています。どういう意図で電話しているのかも言いました。匿名ではありません。
電話は最初「ザ・ワイド」のスタッフにまわされました。が、電話にでた女性スタッフは
「テレビ放送等の著作物を録画したビデオを友人に貸すことは著作権法違反」ということすら知らない人でした。
たはは、すごいテレビ局です。しかし、まあ、一般的な認識は、たしかにこういうものかもしれません。もっとも、それだからこそ、
個人がテレビ番組を録画したビデオを他人に渡すところを、なんの説明もなく放映してもらっては困るのです。
というわけで、べつの部署にまわされました。今度は広報部です。男性の担当者がでました。さすがにここは、著作権の範囲についても、きちんと承知されています。わたしの質問に関しても、調べるためにしばらく待たされましたが、すぐに
「これは著作権法第42条に該当する事項かもしれない」
という答が返ってきました。
第42条というのは以下の条文です。
第42条(裁判手続等における複製)
著作物は、裁判手続のために必要と認められる場合及び立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
ただし、と、その広報部の人はつづけられます。
「この件が、この条文に該当することであるかどうかについては、すぐに返答できない。それは、社内で確認する必要がある」
なかなか慎重ですねえ。一視聴者からの問い合わせに対し、
簡単に言質を与えることはしないぞ
という雰囲気があります。
そこで、
「では、後日でいいから、該当するかどうかの見解を教えてほしい。ついては、また電話するから、そちらのどなたにまわしていただけばよろしいのか」
と訊きました。しかし、誰それに電話してくれとは言わないんですよ、この人。部署名だけを述べて、ここにかけてほしいと言われるんです。わたし、
「それだと、また事情を一から説明しなくちゃならなくなるのでは?」
と言ったのですが、
「そうならないよう、わたしが資料を渡しておくので大丈夫」
と断言されてしまいました。いやあ、日本テレビの広報部さん、したたかです。クレームや質問の対応にマニュアルでもあるんでしょうか。このあたり、ちょっと知ってみたいことです。
で、この結果ですが、その後、知人から有益な助言をもらいました。
http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/copyright/commentary/Act42.html
に、著作権法第42条の解釈が掲載されているというのです。さっそく読んできました。おお、なるほど。これはわかりやすい。
要は、「国会のみならず、地方公共団体の議会等の立法機関の構成員」は、
立法又は行政の目的を達するために内部資料として必要と認められる限度で、本条により複製することができる。
法律案や条例案の審議にとどまらず、予算案審議や調査権を行使する場合等、国会または地方公共団体の議会がその機能を発揮するのに必要な場合を含む。
関西大学 栗田隆 「著作権法注釈」より引用。
ということなんですね。これだと、国会でも地方議会でも、内部における資料としてのやりとりならば、テレビ番組を録画したビデオであっても、コピー、貸借はおかまいなしということになります。
つまり、予算委員会での録画ビデオのやりとりは、著作権法の例外事項に、はっきりと該当している
ということです。疑問は完全に氷解しました。社務猫さん、ありがとう。
しかし、先にも書きましたが、わたしは、このことが例外事項相当行為であることを番組内できちんと言ってほしかったと思っています。でないと、
「録画した番組は誰に見せてもいいんだよ、小説や漫画も、コピーしてどんどん配布していいんだよ」という違法行為の見本
みたいなことになってしまう可能性があります。それは、すごくまずいことではないでしょうか。テレビ局は、番組の放送者であると同時に、放送された著作物の著作権管理者としての立場も有しています。このあたりの配慮をぜひ持っていただくよう、わたしは希望します。
Vol.17 マイラインで大迷惑2。
先回お知らせしたフュージョンによるマイライン誤登録のその後です。
誤登録で、NTT東日本でマイラインプラスになっているはずだった同一県内の市外通話が、なぜか
「マイライン」で登録されていて、「スーパーケンタくん」を申し込むことができなくなってしまっていた
件です。
これに対して、フュージョン側は誤りを認め、謝罪した上で、
「すぐに再申請をだし、2週間以内に登録を完了するようマイラインセンターに要請する」
と、電話で約束しました。
その2週間が経ちました。
6月1日、さっそくマイラインセンターに電話をしました。
「登録は変更されていますか?」
返ってきた答は。
「変更されていません。そのための申請もだされていません」
というとんでもないものでした。
あわてて、フュージョンに電話しました。担当者に事情を話し、調査を依頼します。ところが、「調べますから、しばらくお待ちください」と相手が言い、保留になったとたんに
電話が切れてしまいました。
うーむ、おのれという状態です。すぐに電話し直しました。すると、また保留と同時に電話が切れてしまいます。フュージョンは、
「そちらの電話機が特殊な接続をしているからではないか」
と言います。冗談じゃありません。たしかにわたしの電話機はあれこれ、いろんなパーツがいろいろとくっついていますが、それで電話が切れてしまうのなら、
どこを相手にしていても、保留になったら切れてしまうはずです。
しかし、直前にかけていたマイラインセンターでは保留になっても電話は切れなかったのです。というか、
保留で切れるのはフュージョンだけなのです。
この場合、どちらの機器がおかしいのかということになったら、どちらになるんでしょうね。わたしは、
フュージョン側だと思います。
ま、それはさておき。
ようやく電話がきちんとつながったフュージョンの担当者は、いま一度、
今回のミスの責任がフュージョンにあることをはっきりと認めました。
その上で、
「申し訳ありません。もう2週間ほどお待ちください」
と言います。
おいおいおい。この前の明言はどうなったんだよ。フュージョンってそういう会社なのかよ。
と伝法な口調では、わたしは突っこみません。でも、ちょっときつい口調で文句を言いました。当然ですよね。
この仕打ちは、まともな会社のやることがありません。しかし、本当にルーズな会社です。
わたしが責任者なら、
自分でマイラインセンターに行き、土下座してでも最優先で登録をやってもらって、会社の名誉を守ろうとしますね。
なんか、サラリーマン金太郎の手法みたいですが、冗談でなく、あれをやるべきだと思います。
それが会社の信用維持ってものじゃないですか。
とくにベンチャー企業は信用がないのです。いつも、疑いの目で注視されているのです。それが、わかっていないのでしょうか。まじにあきれちゃいます。
で結果ですが。
わたしが引きました。ケツまくるの、やめました。
気が弱いので、やはり、そういうことはできません。
あと2週間をまた待ちます。「マイラインで大迷惑3」を書かないですむよう、心の中で祈りまくっています。
ああ、でも、むかつくぜ。ぷんぷん。
Vol.18 ステッパーその後。
以前、ステッパーの話を書きました。
Vol.3の「虚弱ステッパー」というエピソードです。
購入したステッパーが不調で、交換しても交換しても、すぐに壊れてしまい、諦めてべつの機種を買ったという内容です。
その後日譚を記します。
最後に買ったTOKICOのステッパー。これは実に優秀な製品でした。
2000年4月末から本格的に使いはじめて、1年と2か月。まったく不具合がありません。きしみ音ひとつ変化しないという状況がつづいています。正直言って、びっくりですね。さすがに39,800円という値段だけのことはあります。これほどタフだとは、まったく思っていませんでした。
と、そんな折。
いきなり電話がかかってきました。モダンロイヤルという会社からです。
「ホームページで虚弱ステッパーの話を読みました。あれはそちらのホームページですね」
と言います。
そう。
モダンロイヤルは、あの壊れに壊れたステッパーを販売していた会社です。
「あれから、壊れた原因をいろいろと調査しました」と、電話の人はつづけます。
「当社では、耐久テストに機械を使い、長時間上下動を与えることで、耐久性をチェックしてきました。しかし、人間が踏むと、機械と違って、どうしても微妙な横揺れが生じます。その横揺れが予期しない負荷となり、ステッパーが壊れたということが判明しました」
なるほど、とわたしは思いました。テストとはそういうものだったんですね。
それなら、たしかにそういうことも起きるでしょう。
ステッパーを使っている人はご存じだと思いますが、ステッパーを踏んでいる人間は本当に不安定です。だから、ステッパーによっては、からだを支えるための手摺りがついている機種もあります。わたしが愛用しているのは、尖端にゴムキャップをはめたスキーのストックです。いつも、これを突いて、ステッパーを踏みます。しかし、それでもときおりよろけます。ストックがなかったら、ステッパーを踏みはずしていただろうというほどよろけることも少なくありません。1時間連続して踏んでいたら、2、3度は、それくらい重心が狂います。そのとき、ステッパーには大きな横方向の負荷がかかります。これは防ぎようがありません。誰がどれだけ慎重に踏んでも、そうなります。
この負荷に対処していなかったとなると、わずか10日あまりでステッパーが壊れてしまったのも、さもありなんという感じです。
「この結論に基づき……」と、電話の人は言われます。
「改良された新型を発売しました。そこで、この新型をモニターとして試していただけないでしょうか?」
おお、とわたしはうなりました。これはみごとな姿勢と感心しました。前のレポートでも述べましたが、
モダンロイヤルはひじょうに良心的な対応をする会社です。
2000年4月26日にステッパーが壊れたあと、この会社は、返金を提案してきました。何度も壊れたとはいえ、最初に買った機種から考えれば、8か月くらいは使えたわけですから、とりあえず、この買物はこれで終わったことにしていいと、わたしは思っていました。それに対して、モダンロイヤルは、不良返品扱いということで返金をおこなうというのです。そして、
事実、返金処理がおこなわれました。
つまり、この件に関しては、わたしにとって何ひとつ不満のない形で完全に決着していたわけです。そこへ、
「壊れない商品にした。もう一度使っていただき、そのことを確認してほしい」
と言ってくるのですから、このアグレッシブな態度は、
あっぱれ!
としか表現のしようがありません。
もちろん、わたしはその申し出を受けました。もとより、商品そのものはとても気に入っていたのです。ただ、それがすぐに壊れてしまったから使えなかっただけなのです。
壊れないのなら、大歓迎です。
TOKICOのステッパーは丈夫で静かですが、少し物足りないところもあります。負荷の調整幅が狭く、最強にしても、まだ少しわたしには負荷が弱く感じられます。この手のトレーニングは、毎日つづけていたら、どうしても負荷が不十分になってくるのです。14か月の使用で、TOKICOの負荷調整は限界に達してしまいました。もう1段階、負荷を強めたくても「弱・中・強」の3つしか選択肢のないステッパーでは、それが不可能です。踏む時間を延長するのは現実的な策ではありません。踏む時間はビデオ視聴タイムにあてていますが、これをさらに長くすると、原稿執筆時間に影響がでてしまいます。1日1時間という数字は、わたしにとっての限界なのです(時間制限がなければ、たぶん、2、3時間は踏みつづけられると思います)。
というわけで、
先ほど(6月23日の昼すぎ)、新型ステッパーが届きました。
さっそく梱包をほどき、マニュアルに従って組み立てました。負荷強度の調整を兼ねて、何度か踏んでみます。
いいですねえ。騒音は少しありますが、不快なきしみ音ではないのでさほど気になりません。踏み心地も上々です。ステップ部分が平行を保つため、足首に負担がかからない構造が快適です。
しかし。
なぜか、カウンターが動きません。電池はちゃんと入れました。数字が表示されています。リセットもできます。時間や回数表示などのモード切り換えも問題なくできます。
でも、カウンターが進んでくれません。
「画面表示が消えた状態で踏みはじめると画面表示があらわれ、カウンターが進みだす」という意味のことがマニュアルに書いてあります。が、踏みはじめて画面表示があらわれても、カウンターの数字が変化しません(表示画面があらわれないままということもある)。それと、液晶画面の右上端に「STOP」という文字がくっきりと浮かびあがっています。これが、いつまで踏んでも消えてくれません(まれに消えることもあるが、すぐに復活してくる)。
どうも、ステッパーを踏んでいるという情報がカウンターのチップにうまく届いていないようです。
うーん。これはまずい。
カウンター表示は重要なトレーニングの目安になるのです。これが動かないと、踏んだ気になれません。
月曜日(25日)に電話して、どうなっているのかを尋ねてみることにしました。
本格的に使うのは、これが解決してからということになるでしょう。
Vol.19 ステッパー、いよいよ大団円か?
モダンロイヤルからモニターしてくれということで届いた新型ステッパー。その名は。
DR-3855/M AEROLIFE PARALLEL MINI STEPPER
しかし、このステッパー、届いてすぐにカウンターが動作しないという不具合に見舞われ、試用が一時中断してしまいました。
危うし! モダンロイヤル。
が、モダンロイヤルは挑戦をつづけました。事情を話したところ、すぐに、その改良型をわたしのもとに送ってきたのです。
わたしは腰が悪い。
悪い腰をかばうために、浅いストロークで素早くステッパーを踏むようにしています。その浅いステップがカウンターのセンサーの動作を阻害してしまうのです。このセンサー、ある程度の調整機能はついていますが、そのぎりぎりよりも、わたしのステップは浅い。でも、この動きをTOKICOのステッパーはちゃんと感知していました。
TOKICOにできて、モダンロイヤルにできないわけがありません。
というわけで、モダンロイヤルはステッパーのセンサーに対策を施しました。浅いストロークに合わせて、センサーをつくりかえました。
その結果は。
すばらしい。
この一言です。あらたに届いたステッパーは、みごとにカウントを開始しました。
しかも、それがひじょうに正確です。
実はわたしが踏みつぶしつづけた以前の型のカウンターは、少し精度が甘かったのです。このステッパーの液晶画面には、いくつかのデータが入れ替わりで表示されます(特定データの固定表示も可能)。このデータ、タイマーに関してはほとんど問題なかったのですが、ステップ数表示はけっこう数値がずれていました。ステップしても、ときどき数字が動かないときがあったりしました。もしかしたら、センサーがたまにステップを拾いそこねていたのかもしれません。
その不具合が、今回のカウンターでは完全に解消されていました。
となれば。
あとは耐久性だけです。
いま、わたしは日々、このステッパーを踏みつづけています。音は、少し大きめ。ただし、不快なきしみ音ではありません。がたがたという壊れそうな音がしています。
もっとも、音は音として、壊れる気配は皆無です。はっきりいって、頑丈です。
がたがた音も、気になることはいっさいありません。前にも書きましたが、わたしはステッパーを踏むときにテレビ番組を録画したビデオを見ています。このビデオの音声聴取が妨げられると、そのステッパーは失格ということになりますが、そういうことにはなりません。気持ちよく番組を視聴することができます。
モダンロイヤル。そのあくなきチャレンジに、わたしはちょっとうなっています。
とはいえ、踏みはじめて、まだひと月程度。
耐久テストの本番はこれからです。
少なくとも、半年、1年といったレベルでの耐久性をわたしは確認しなくてはなりません。まだまだ踏みます。がんがん踏みますよ。
楽しみにしていてください。